私の好きな季語と『私の俳句』

【白粉花… (季語) おしろいばな】
白粉花… (季語) おしろいばな



白粉花棄てゝ黄の帯なまめかし



大工の娘が、見違えるような変貌を遂げて見せたのは、晩夏の陽が残る夕刻の路地だった。

その凛々しいまでの藍浴衣は、二人の弟に張り合う稼ぎ手の気迫さえ漂わせて、自転車にスプレーを吹き付けていた私に『どこ見てんのよ? ちゃんと私を見てよ!』と言わんばかりの色っぽい視線を送ってきたのである。

マニキュア?否、ペティキュアの素足の下駄からして艶かしい、そのご出勤姿… 銀のスプレー缶をカチャカチャ振りながら、そのお尻のくねり具合にばかり目を奪われてしまっていた。



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