マエストロ文学

第九章:存在

空気。それは音を伝え、光を通し、熱を持つ。
そしてそれは意識しなければ感じることが出来ない。


…彼はその曲を知っている。
初めて聞くはずの曲なのに、何故か懐かしい感じさえした。

胸の奥底から湧き上がってくる高鳴り。
心臓の鼓動はさらに大きくなる。


彼を支配していた恐怖は、もはや彼にとって関係が無かった。
彼は自分が人間ではなくなっていくことも忘れ、マエ○トロの演奏に酔い痴れていった。


気付けば、彼は歌っていた。


その曲のリズム、旋律、大音声が、彼を狂わせていく。
彼の本能がそうさせている。
理由など無かった。ただそうする運命にあるように、彼は操られる。


その熱気の中、彼は確かにそこに存在していた。
彼の声は、確かに届いていた。


ライブは永遠に続いていく気がした。

「このまま一生いられればいいな」
彼はそう思った。

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