「どこへいくんだい?」 狂った世界だ。 そう感じつつも訊かずにはいられなかった。 既に彼はこの世界に魅せられてしまったようだ。 「…」 ヒロディは立ち止まり、 ゆっくりとこちらに振り向いた。 その顔からは(クマなので当然) 感情は読み取れなかったが、 その(クマなので当然)厳つい表情は 彼の浮き足立った興奮を鎮めるには十分だった。 「お前は?」 「え?」 「どこに行きたい?」 彼はその質問の意味を推し量ってみる。 しかし、彼の国語力ではそれ以上の含意を汲めなかった。 だから、 「……わ、わからないでしゅ…」 か細い声でそう答えるしかなかった。 もはや彼の冒険心は喪失してしまった。 ヒロディはまた背を向け、歩き出す。 慌てて彼もその巨体を追いかける。 「それで、どこに行くんだい?」 「……湯沢。」 ヒロディは答えた。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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