12月の例句集

〜時候〜


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◆ 冷たし ◆
12》時候


京菜洗ふ青さ冷たさ歌うたふ   加藤知世子



へら鷺や水が冷たい歩き様   小林一茶(52)



十本の冷たき指の笛を吹く    射場秀太郎



点滴の細りし指の冷たさよ     小野茂川



大きくて冷たき靴を揃へけり    栗島 弘



もの学ぶ冷たき頭つめたき手   阿波野青畝



手が顔を撫づれば鼻の冷たさよ   高浜虚子



冷たしや出土磁片の息ぐもり    桂樟蹊子



印鑑を冷たき紙に捺しにけり   佐々木六戈



足の裏冷たく拭いて掃き納む   五所平之助



鼻冷たく山の児ひとり置かれがち  加藤寛子



犬がゆく冷たい影が追つてゆく   登 良夫



踊り子は掌の冷たさを詫びて云ふ    三鬼



誰も皆靴冷たくて始発駅      櫂未知子



年とつて冷たき土堤に遊びけり   永田耕衣



寄り添へば冷たき瀬戸の火鉢かな       夏目漱石(32)




◆ 冬ざれ ◆
12》時候


冬ざれや北の家陰の韮を刈る      蕪村



冬ざれや小鳥のあさる韮畠       蕪村



冬ざれや足にこたゆる貝の殻      闌更



冬ざれやきたなき川の夕烏       定雅



冬ざれや厨に赤き蕪かな      正岡子規




冬ざれて火焔つめたき不動かな   正岡子規



冬ざれや小石を嗅ぎに犬戻る   長谷川 櫂




さふらんの花は紫冬ざるゝ     野村泊月



野生馬の馬身艶なく冬ざるゝ    大橋敦子



人おのおの負へる齢や冬ざるゝ   大橋敦子



いまみえてゐた猫みえず冬ざるゝ       久保田万太郎



鳶の貌まざと翔けつゝ冬ざるゝ   石橋秀野



冬ざれを統べし巨石とおもひをり  岸田稚魚



炭焼の貌の冬ざれ岩よりも     金子兜太



心臓がまつかに歩きゐる冬ざれ   内田暮情



しらたきと豆腐と買ひて冬ざるゝ       久保田万太郎



大石や二つに割れて冬ざるゝ    村上鬼城



 




冬ざれ
Fuyuzare


       
  ラ 尚 冬
  ッ 冬 ざ
  シ さ れ
  ュ ら て
  過 し  
蝉 ぎ    
海      
       
       






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