3/6ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 秋意 しゅうい 秋の夢◆ ため息は秋意の果たて凌霄花 殿村菟絲子 もの置かぬ机上秋意の肘つきて 入江朝子 雲秋意琴を売らんと横抱きに 中島斌雄 編みかさね秋意ましろき一位笠 能村登四郎 雲海にむらさき滲む秋意かな 富安風生 葉隠れに秋意を燃やす能篝 堀無沙詩 檣灯のくらりと点る秋意かな 西村和子 退官の荷にまぎれ置く雲秋意 対馬康子 行く雲は秋意宜なるかな自裁 古賀まり子 存へて華景に秋意あたたむる 有富光英 秋意新た星の話をして別れ 毛塚静枝 膝少しつき縁先の秋意かな 櫛原希伊子 秋意濃し砂丘がくれにゐたる人 木村蕪城 湖覚むといふ美しき秋意かな 西本一都 妊れる事の怡しき秋の夢 久米正雄 秋の夢浮標よりロープ外れおり 鳴戸奈菜 菊の葉をのせて秋意の胡麻豆腐 大島民郎 坂下る杖にも秋意おのづから 村越化石 秋の夢驢馬が持てくる日向かな 中川宋淵 山なみの上の高嶺の秋意かな 鷲谷七菜子 江ノ嶋の穴をうなるや秋の夢 服部嵐雪 秋の夢老女も遊屋も我もまた 上島鬼貫 ◆ 秋思 しゅうし 秋さびし 秋懐◆ 寄りあひてはなれて石の秋思かな 桂 信子 曇日の石とむきあふわが秋思 桂 信子 晋平のオルガンに触れ秋思かな 小島千架子 この秋思断つべく海に足濡らす 北澤瑞史 澤水のつめたさ秋思にも似つる 上村占魚 時計打つ秋思の闇をふるはせて 金堂豊子 爪切れど秋思どこへも行きはせぬ 細見綾子 まなうらの山河に寄する秋思かな 内藤さき 千手仏一手は胸に秋思の手 日暮ほうし 秋思濃きロンドン塔の雀たち 大木さつき 並木座を出でて並木の秋思かな 斎藤一也 秋懐といふも端無く来るらし 相生垣瓜人 開くまで秋思の無音オルゴール 鈴木まゆ 海荒れのまま暮れわたる秋思かな 脩 わが秋思水わたりきし一羽鳩 中村草田男 簾あげて秋思の猫を放ちやる かな女 あまたなる秋思の石の一つなる 中杉隆世 過ぎてゆく山車より秋思始まれり 片山茂子 黙つてゐることも秋思に数へたり 上田日差子 マニキュアの指に秋思の息かける 柴田奈美 パンちぎる一口大の秋思かな 対馬康子 塩を置くこんな秋思の入口に 櫂未知子 秋思なら電子レンジにかけてある 櫂未知子 秋思また波のごとくに寄せてきし 高倉和子 手相見に呼びとめられし秋思かな 影島智子 寺の鐘鳴るに秋思の途切れけり 町田しげき 力杖秋思の杖となりにけり 鷲谷七菜子 秋さびし手毎にむけや瓜茄子 翁(芭蕉) ～秋思～より私の好きな季語と私の俳句 ご感想もよろしくお願いします。 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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