5/6ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 轡虫 ◆ くつわむし ８９10》動物 海鳴を一轡虫圧しけり 相生垣瓜人 逃れ得ぬ加齢夜毎の轡虫 町田しげき 大利根に一灯もなし轡虫 石井とし夫 月明の赤児とびこす轡虫 福田甲子雄 轡虫海へ絶壁しんのやみ 福田蓼汀 海女の衣の吹かれ夜干しや轡虫 永方裕子 足助塩の名に古りし町轡虫 木村蕪城 鳴きそめて止むけしきなし轡虫 五十嵐播水 轡虫その辺の闇独り占め 近森千句葉 夫と居て言葉なき夜の轡虫 浜 芳女 轡虫たれか口火を切りし喜捨 赤松子 轡虫目覚はいつも縷のごとし 田口満代子 汽罐車の走れるに似て轡虫 大橋敦子 言ひ過ぎしひと言悔ゆる轡虫 中沢美知子 かざす灯に声を落として轡虫 高橋利雄 森を出て会ふ灯はまぶし轡虫 石田波郷 轡虫かすかに遠き寝のやすく 富安風生 松の月暗し暗しと轡虫 高浜虚子 立ちよるや鳴音かへたる轡虫 高野素十 轡虫雨夜重ねてこゑ遠き 水原秋桜子 城内に踏まぬ庭あり轡虫 炭 太祇 牧場は夜もあをしよ轡虫 矢島 恵 夕波の畳む岬や轡虫 風間 淑 轡虫売らるる馬は沓履いて 米田一穂 轡虫とらへたるらしひとつやむ 島崎秀風 ◆ 竈馬 いとど ◆ ～かまどうま～ ８９1011》動物 錠さしてわれとりもどす竈馬 阿部娘子 いとど跳ぶ家を砦として出でず 草間時彦 味噌部屋に母の面影いとど跳ぶ 塩川祐子 いとど跳ぶ名主家敷の土間厨 福川悠子 いとど跳ぶ民芸品に火吹竹 神蔵 器 いとど赤しほのぼの熱の上るとき 石田波郷 いとど髭を燈台の灯のごと廻し 村松紅花 海荒れて机の上の竈馬かな 岸本尚毅 玄関にまづあらはれし竈馬かな 岸本尚毅 ことごとく堂の竈馬の掃かれけり 岸本尚毅 この家に生れては死ぬ竈馬かな 岸本尚 あかつきや いとど なきやむ屋根のうら 芥川龍之介 隣間にいとどを捨つる夜半の秋 室生犀星 落柿舎の土間を真昼の竈馬 山田みづえ 藁焚けば灰によごるる竈馬かな 内藤丈草 竈馬や行灯につりしとうがらし 加舎白雄 藁焚けば灰によごるる竈馬(いとど)かな 内藤丈草 竈馬鳴く猫は竈に眠るかな 上島鬼貫 海士の屋は小海老にまじるいとど哉 芭蕉 気力だけに生きるこの身や竈馬 三浦 勲 隠れても髭をかくせぬいとどかな 大久保白村 山荘のいとどに留守を預けたる 稲畑汀子 山宿にいとど親しき泊りかな 稲畑廣太郎 なくやいとど塩にほこりのたまるまで 越人 磯際の波に鳴き入るいとどかな 惟然 いとど鳴く地を吹きにけり夜の風 闌更 夜念仏の口まねをするいとど哉 一茶 浜納屋の破れ網這ふいとどかな 藤野古白 ～轡虫／いとど～より私の好きな季語と私の俳句 ご感想もよろしくお願いします。 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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