3/8ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆夕顔 ◆ ７８》植物 夕顔の一つの花に夫婦かな 富安風生 夕顔の灯りて水の行方かな 星野昌彦 夕顔や山を越え来て髪の老ゆ 岸田稚魚 夕顔に病み臥す人と物語 高田つや女 風呂沸いて夕顔の闇さだまりぬ 中村汀女 吾子立てり夕顔ひらくときのごと揺れ 篠原 梵 夕顔の咲きふえて咲き減りにけり 金子九九 夕顔の花となりゆくゆるき渦 林千恵子 夕顔を蒔くを忘れて旅に出し 高野素十 夕顔の莟ばかりの昼は憂し 後藤比奈夫 うなじより衰へはじむ夕顔は 長谷川秋子 夕顔の開きて変る雨の色 山田節子 夕顔に乳ふくますはしずかなり 草間時彦 夕顔のひらく光陰徐かなり 石田波郷 夕顔に眉つくりたる蛾の遊ぶ 後藤夜半 夕顔や方丈記にも地震のこと 阿波野青畝 夕顔やひらきかかりて襞ふかく 杉田久女 夕顔や竹焼く寺のうすけぶり 与謝蕪村 驚くや夕顔落ちし夜半の音 正岡子規 いま咲きし夕顔にはや蟻通ふ 成重昭女 うたたねの妻に夕顔ひらきけり 小島 健 夕顔を褒めてひと日を終りとす 太田蘆青 葉がくれに咲く夕顔のうすみどり 軽部烏頭子 歯のごとき夕顔の種子瓶に殖ゆ 横山房子 夕顔を驚かしたる大蛾かな 豊原青波 夕顔のひらきし蕊は夕日得し 中村汀女 夕顔を蛾の飛びめぐる薄暮かな 杉田久女 夕顔や病後の顔の幼なぶり 富田木歩 牛はまだ寝る足折らず白夕顔 静塔 夕顔の夜々咲き競ふ鉢二つ 西島泊雲 夕顔やそこら暮るるに白き花 太祇 夕顔や早く蚊帳つる京の家 与謝蕪村 砂川や夕顔のある屋根の上 凡兆 夕顔や酔うて顔出す窓の穴 ▼推敲句 夕顔に酔うて顔出す窓の穴 松尾芭蕉 夕顔に米搗き休むあはれなり 夕顔に米搗き休むあはれ哉 松尾芭蕉 夕顔の夜ごとの贔屓しらぬなり 中原道夫 夕顔を心に投げし扇かな 成瀬正俊 夕顔の実に夕顔と書き売らる 辻桃子 夕顔の実に汽車の音川の音 知久芳子 栃木より夕顔の実をかかへきし 青柳志解樹 夕顔の実の横たはる国家かな 鈴木伸一 夕顔の実や説教会をしてしまう 堀越胡流 夕顔の実を盗みたる良き日なり 神尾季羊 自称宇宙人にして夕顔の実を知らず 望月精光 川遠の夕顔の実をもて余す 水野真由美 ほがらかに夕顔の実の剥かれけり 菅原閧也 夕顔の実の垂れくらし庭の奥 五木幽風 夕顔の実を江の電の通りけり 藤田あけ烏 2011/08/03 日記 夕顔 - 菜花亭より われわれと書くとき夕顔開きけり 岩淵喜代子 奥さんと呼ばるゝ夕顔の咲いて 黒田杏子 妻も子も来て夕顔に涼みけり 正岡子規 夕顔が毎日咲いてけふ七ツ 高澤良一 夕顔やそこら暮るるに白き花 太祇 夕顔 かんぴょう かんぴょうの製法・枕草子・源氏物語など ◆ 時計草 ◆ ７８月》植物 からくりのまことしやかに時計草 行方克己 時計草モデルハウスに刻きざむ 小玉真佐子 時計草孫が泊りに来てをりぬ 山崎ひさを どの国の時計に似たる時計草 後藤比奈夫 兄の忌の三度びめぐりて時計草 満田玲子 五月朔日初花なりし時計草 滝 春一 時計草湖底の声を聞きながす 原 尚子 時計草記憶回路がパチパチパチ 桑田和子 時計草三つ四つ別の午後ひらく 浦野菜摘 さよならの片手を下ろす時計草 佐野二三子 問わんとすことを問われて時計草 西尾千佳子 時計草たそがれ長きことは知る 後藤比奈夫 時計草どれも三時を指しゐたる 深水玲子 一匹の蟻針と見ゆ時計草 阿波野青畝 ～夕顔 時計草～より私の好きな季語と私の俳句 ご感想もよろしくお願いします。 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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