3/5ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 空蝉 うつせみ ◆ ７８》動物 空蝉に蝉のかなしみ残りけり 林 翔 空蝉のいづれも力抜かずゐる 阿部みどり女 空蝉を呉れし丸山芸者かな 山内傾一路 空蝉のすずなりの木を恐れけり 糸山由紀子 空蝉に翅を収めし突起かな 日原 傅 土くれを抱く空蝉のくらさかな 原 裕 父の忌の空蝉なれば掌につつむ 長谷川秋子 空蝉にひとしき人生吹けばとぶ 阿部みどり女 拾ひたる空蝉指にすがりつく 橋本多佳子 空蝉の一太刀浴びせし背中かな 野見山朱鳥 空蝉のふんばつて居て壊はれけり 前田普羅 空蝉の縋れる草は引かず置く 相馬沙緻 空蝉を置きてピアノに土こぼる 鷹羽狩行 空蝉のごとく服脱ぐ背を開けて 加藤三七子 手に置けば空蝉風にとびにけり 高浜虚子 空蝉の爪のくいこむ被爆の木 助田素水 空蝉や妻に肩借す寺の階 原 石水 空蝉に天の一刀過誤もなし 橋本榮治 空蝉の一太刀浴びし背中かな 野見山朱鳥 空蝉や山河にもどる朝のいろ 大嶽青児 風遊ぶまろぶほかなき空蝉に 渡邊千枝子 空蝉を見る妻の瞳のうるむなり 杉山岳陽 空蝉の寝墓にあるはあらしめよ 下村ひろし 森閑とこの空蝉の蝉いづこ 福永耕二 空蝉に草の匂ひのありにけり 仙田洋子 吾子なくて空蝉いつまで机上なる 松本千恵女 汝等まろき脂ぎつたる空蝉よ 中村草田男 岩に爪たてて空蝉泥まみれ 西東三鬼 空蝉を妹が手にせり欲しと思ふ 山口誓子 空蝉を指にすがらせ餉の祷り 子郷 空蝉の脚の確かさ眼の確かさ 後藤比奈夫 空蝉の両眼濡れて在りしかな 枇杷男 空蝉となりても登る爪かけて 照敏 空蝉やひるがへる葉にとりついて 高野素十 空蝉や千手仏にもあそびの手 奥野昌子 空蝉を硝子の仲間に加へけり 岩淵喜代子 旧姓といふ空蝉に似たるもの 辻美奈子 空蝉の点々森の広さかな 稲畑廣太郎 襖しめて空蝉を吹きくらすかな 飯島晴子 空蝉の生きて歩きぬ誰も知らず 三橋鷹女 空蝉のなほ苦しみを負ふかたち 鷹羽狩行 乙女らよ空蝉の背の割れざまよ 永島靖子 愛染の身に空蝉は握られぬ 庄中健吉 無為にしてひがな空蝉もてあそぶ 川端茅舎 空蝉のしがみついたり草箒 森 無黄 空蝉を風の中にていつくしむ 山口誓子 母の忌の空蝉を母と思ひ初めし 中村苑子 たかぶれば空蝉も鳴く夕茜 澁谷 道 ～空蝉 うつせみ～より私の好きな季語と私の俳句 ご感想もよろしくお願いします。 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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