8/19ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 旱 ひでり ◆ ７８》天文 赤ん坊を尻から浸す海旱り 飴山 實 わが影に救はれあゆむ旱坂 古賀まり子 ひろしまを縦断今も旱川 辻田克巳 浦上は愛渇くごと地の旱 下村ひろし 水やれば音たてゝ吸ふ旱畑 千本木溟子 旱雲犬の舐めたる皿光る 原子公平 向日葵の瞠(みは)る旱を彷徨す 野澤節子 大旱や水牛が水飲む長々と 長田一男 大旱血を曳く蛭のしづみをり 飯田蛇笏 鍬の柄のすとんと抜けし大旱 松下章子 大旱や長き脚見せ浮御堂 芳賀雅子 咲くものの赤きが多し旱雲 小澤満佐子 大旱の赤牛となり声となる 西東三鬼 真白なる猫によぎられ大旱 加藤楸邨 地獄見て憤ろしも大旱 山口誓子 龍舌蘭咲きて大きな旱来ぬ 橋本多佳子 大旱の夜のいちじくの葉のにほふ 長谷川素逝 大旱や泥泉地獄ふつふつと 山口誓子 海賊の村に水汲む旱かな 正岡子規 大旱の蟻はしるその影の上 加藤楸邨 身一つの漂ひ歩く旱かな 山内山彦 放牧に今年由々しき旱かな 吉良比呂武 大海のうしほはあれど旱かな 高浜虚子 芋の葉のまだいとけなき旱かな 藤田湘子 一枚の戸板のごとき旱村 藤田三郎 汽罐車の車輪からからと地の旱 山口誓子 暗き家に暗く人ゐる旱かな 福田甲子雄 鶏頭の紅しんかんと旱村 黛 執 墓の水旱川より運びをり 益田月石 妻を恋ふしづかに夜雲旱りたり 石橋辰之助 昼顔のとりつく草も旱かな 菅原師竹 旱雲うつくしく人の死ぬあらむ 加藤楸邨 洛南は山国どこも大旱 妹尾 健 一片の薔薇散る天地旱の中 西東三鬼 悪鬼ゐて地獄たぎらす大旱 山口誓子 てらてらと百日紅の旱かな 正岡子規 大旱や子の泣声の細く長く 西東三鬼 大旱や牛頭馬頭に逢ふ地獄村 山口誓子 干梅の紅見れば旱雲 河東碧梧桐 大旱の牛に水かけわれも濡れ 太田土男 穴もぐる蜂びびびびと大旱 村越化石 旱風の夜がらす啼けりいしがはら 石原舟月 大旱の掃苔水を惜むなく 亀井糸游 屋根の柾反りて貧しき旱かな 田村了咲 茂り合ふ草に旱の埃かな 尾崎紅葉 煙突の魂ぬけてたつ強旱 竹下しづの女 旱の夜おんなじ貌の鰈焼く 寺田京子 くらがりに本の増えゆく旱かな 奥坂まや 碧空に山充満す旱川 飯田龍太 旱の夜こころせんわが定型詩 鈴木六林男 一滴も水無し近江旱川 山口誓子 波除に旱雀の痩せにけり 森田 峠 天空のかくもしづかに大旱 鷲谷七菜子 ボクサーが打たれたおれる旱の夜 有馬朗人 飯食うて晝うつくしき旱かな 永田耕衣 天地旱トラックの尾の赤き布 西東三鬼 大旱や滝の絵かけし百姓家 前田普羅 朝夕瓜もみ食ふ旱かな 前田普羅 つれなしや秋立頃のあぶら旱 加舎白雄 干しものに蝉うちあたる旱かな 増田龍雨 ～旱 ひでり～より私の好きな季語と私の俳句 ご感想もよろしくお願いします。 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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