7月の例句集

天文 地理

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◆ 滝 滝見 ◆
78》地理 生活



永劫の刹那々々を滝は落つ     福田蓼汀



大旱や滝の絵かけし百姓家     前田普羅



滝涼し神ありとせば濡れてゐむ   河野南畦



無病息災不動にいのる滝のうら   角川源義



滝音を聴き疲れたり滝を去る    太田昌子



山雀の声が滝吹く谷伝ひ      臼田亜浪



滝壷を高きところに神の滝     鷹羽狩行



激しさのかたまり落つる女滝かな        鷲谷七菜子



滝落ちて群青世界とどろけり   水原秋櫻子



鬼の棲む山大滝を落しけり     井桁白陶



滝の上に水現れて落ちにけり    後藤夜半



ふり仰ぐ身に冷え冷えと滝の風  清水きよ子



滝落ちて自在の水となりにけり   小林康治



滝風に吹かれあがりぬ石たたき   飯田蛇笏



造り滝滝壺による鯉の口     小川ユキ子



造り滝市民広場へひびき落つ   山根きぬえ



閉店の地下街に止む造り滝    小松世史子



音もなく高層ビルの造り滝     金堂豊子



待ち合はすロビーの前の造り滝   塙きく



滝見茶屋大鉄瓶のたぎりをり    星野立子



よろこびて落つ水待つて滝走る   中村汀女



静かにも人群れてをり滝の前   山田みづえ



滝道といへどおほかた岩づたひ  下村ひろし



未来より滝を吹き割る風来る    夏石番矢



天地のはじめのごとき滝かかる   津田清子



杉山に父かと思ふ滝こだま      原 裕



滝白く落ちて虚空の夜となる    石原八束



分厚くも薄くも滝の水となる   後藤比奈夫



天日にせりあがりつつ滝落つる   上村占魚



金剛の滝ならび落つ雲の間     山口青畝



雲の中滝かゞやきて音もなし    山口青邨



八十の齢よろめく滝の前      富安風生



神にませばまこと美はし那智の滝  高浜虚子



青滝や来世があらば僧として   能村登四郎



夜はときに長寿かなしき滝の音   飯田龍太



瞠いて滝の冷気に立ち向ふ     池田泰子

※瞠目する/(目を)見開いて…



滝おちてこの世のものとなりにけり        曾根 毅



滝の前しづかにをりて力充つ    宮下翠舟



押して来し水も押されて滝となる  湯川 雅



落下する先も虚空や那智の滝    稲岡 長



一山の力を滝の姿とし       蔦 三郎



万物の音みなこゝに神の滝    小島左京



羅のごとくに透けて女滝落つ    藤崎久を

※羅=うすもの



音もなく立ち現れし滝一つ     藤松遊子



滝落ちて箕面は空の深きところ         後藤比奈夫



滝風に言葉は宙へとびにけり   青葉三角草



一筋のみどりを引きて滝落つる         深川正一郎



自転車を押せり頭上に滝光る    岸本尚毅



こんこんと妻は眠りて夜の滝    岸本尚毅



滝音に沿ひて高みに登りけり    西村和子



やがてバスは自殺名所の滝へかな         櫂未知子



山滝に日射すとみゆれ懸巣翔ぶ   飯田蛇笏



死後のわれ月光の滝束ねゐる    佐藤鬼房



仰ぐわが一身の地より生え     津川あい



月光のかゝらぬ滝はなかりけり   本田一杉



滝水の遅るるごとく落つるあり   後藤夜半



陽を受けて滝の飛沫の玉のごと   関森勝夫



ていねいに落ちて不老の滝しぶき        深見けん二



たのしさとさびしさ隣る滝の音   飯田龍太



滝落ちて直ぐ透き通る神の淵    山口誓子



滝落ちてゆくみずからを追ひ抜きて        山口誓子



滝音に消されしものの中にをり   稲畑汀子



何ごとも神さままかせ滝に佇つ        久保田万太郎



奥や滝雲に涼しき谷の声      宝井其角



 
〜滝壺〜より私の好きな季語と私の俳句
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