7月の例句集

天文 地理

1/19ページ目

 


◆ 夏野 ◆
5678》地理



縮尺の夏野たたみて獨りなり    中原道夫



頭の中で白い夏野となつてゐる   高屋窓秋



夏野駆け放馬いよいよ漆黒に    北 光星



絶えず人いこふ夏野の石一つ    正岡子規



鵲も稀に飛ぶのみ大夏野      高浜虚子



馬ほくほく我を絵に見る夏野哉   松尾芭蕉



枕木は鳥の木琴大夏野      石井紀美子



いくたびも馬の目覚むる夏野かな 福田甲子雄



うつくしく牛の痩せたる夏野かな    凡兆



放牧の馬の背光る夏野かな     福島孝子



ランボーのうづくまりゐる夏野かな 仙田洋子



大いなる卵拾ひし夏野かな     内藤鳴雪



八方にことばが重し夏野原       照敏



行々てこゝに行々夏野かな    与謝蕪村



角上げて牛人を見る夏野かな    松岡青蘿



贖罪のごとし夏野へ妻子率て    楠本憲吉

※贖罪(しょくざい)



雲の影日がな流して大夏野    今橋眞理子



天馬いづこ朱鳥を慕ひ来し夏野   中杉隆世



あたらしき夫を立たせる夏野かな  櫂未知子



飼はれ鳴く丹頂蝦夷の大夏野    大橋敦子



空腹(すきばら)に雷ひゞく夏野哉  小林一茶



白雲の夏野の果てや村一つ     会津八一



雷の雲踏み越えて夏野かな     会津八一



たてよこに富士伸びてゐる夏野かな        桂 信子



いつか息絶えて夏野に舞う羽毛  津沢マサ子



抱かれて痛き夏野となりにけり  津沢マサ子



夏野来て鳰に色なきことわびし   原コウ子



ししむらや夏野は櫂の音ならん   永未恵子



にこにこと布一枚の夏野なり    永末恵子



夏野行く馬に麦稈帽も冠せばや   北原白秋



夏野行けば釣鐘草も咲てゐる    北原白秋



雨の照る竹林の見えて夏野かな   北原白秋



蛇呑みて海原めきし大夏野     朝倉和江



着水と思い夏野に膝を折る     渋谷 道



一むれや夏野かけぬく二歳駒      ノ松



順礼の棒ばかりゆく夏野かな    松江重頼



いかづちの荒てひさしき夏野かな  中村史邦



見えてきし海に馬立つ夏野かな   皆吉爽雨



鳥逐うてかける馬ある夏野かな  松尾いはほ



村よりも高きところの夏野かな   京極杞陽



秣負う人を枝折の夏野哉      松尾芭蕉


(まぐさおうひとをしおりのなつのかな)

…枝折=道しるべ/秣を背負った牧夫を道しるべに来た夏野だが…




もろき人にたとへん花も夏野哉   松尾芭蕉


親しき人が死ぬと、その命の脆さを嘆いて喩える花の命ではあるが、その花が、今この険しい夏野に耐えながら懸命に生き、見事に咲いて見せ、私を迎えてくれたんだよなぁ…。





 
〜夏野〜より私の好きな季語と私の俳句
ご感想もよろしくお願いします。





[指定ページを開く]

次n→ 

<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ