7月の例句集

〜時候〜

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◆ 炎昼 夏の昼 夏真昼 ◆
78》時候



炎昼にあり全盲のわが継ぐ家   高野ムツオ



炎昼のつぶやく如き蝶とゐて    行方克己



炎昼やてのひらほどの島浮ぶ    田川江道



炎昼の石みなゆらぐ渡船場址    桂樟蹊子



炎昼のくらさ御堂の大太鼓     本宮哲郎



炎昼や法師に父母をゆだねたり   角川源義



漫陀羅図掛けて炎昼忘れをり    河野南畦



炎昼の胎児ゆすりつ友来る     野澤節子



炎昼の人声絶えし魚市場      辻田菊子



炎昼の一点を見る測量士      関口美子



炎昼の絶壁虫の鳴きにけり     大串 章



炎昼や食べ残したる犬の餌    初川トミ子



炎昼いま東京中の一時うつ     加藤楸邨



みじろぎもせず炎昼の深ねむり  野見山朱鳥



炎昼へたましひ一人歩きせり    堀川草芳



炎昼の電車重たく橋渡る      杉山青風



炎昼のなか大股にモデル来し    水田光雄



夏真昼死は半眼に人をみる     飯田蛇笏



炎昼の屋久島俄かなる山雨     桑田青虎



炎昼の馬に向いて梳る       澁谷 道



炎昼やとぼしけれども蔵書あり   山口誓子



炎昼や猫も自愛の四肢伸ばす   北原志満子



炎昼の梁怖ろしき蔵二階     冨田みのる



炎昼や廃墟に文字のいのちあり   桂樟蹊子



炎昼に黒羽丈なす尾長鶏      桂樟蹊子



炎昼の石担ぐ息ふれあへる     大橋敦子



炎昼をどこまで鎖引き摺つて    中村苑子



まんじゆうに何も起こらぬ夏の昼  柿本多映



炎昼のエンジン音は父の挽歌    奥坂まや



夏真昼回り舞台の静止せる     柿本多映



夏真昼死者も縁者も化粧して    柿本多映



炎昼の空気をぬすむ一角獣     柿本多映



炎昼の二児守ることに明け暮れし  伊藤敬子



炎昼の軒塞ぎたる乳房かな     永田耕衣



 
◆ 盛夏 夏旺ん 真夏 ◆
78》時候



榕樹の気根のからむ盛夏かな   滝沢伊代次

※榕樹 ガジュマル



まなうらにモネの睡蓮盛夏くる   高橋克郎



雲しかと止まりてあり盛夏かな   上田俊二



両の眼の玉は飴玉盛夏過ぐ     三橋敏雄



福祉説く青年の目に盛夏来る    太田常子



闊歩する孔雀に天も地も盛夏    福田蓼汀



良寛の海へ盛夏の松羽撃く    岡野スミ子



茎よりもたしかなる頸盛夏かな   櫂未知子



供花をきる盛夏のこころ澄みにけり 飯田蛇笏



皆既てふ洗礼盛夏夏の月となる   望月紫晃



東京と生死をちかふ盛夏かな   鈴木しづ子



川の砂夕日に流れゐる盛夏     松村蒼石



鯉池の底に鯉の歯夏旺ん       辻桃子



そり返る絵の具のチューブ夏旺ん  平吹史子



ベネチアンガラスの赤や夏旺ん  筒井カヨコ



鮪捌く手鉤一丁夏旺ん       毛塚静枝



わつぱ煮に口焼き島の夏旺ん    伊藤京子



夏旺ん旅の手に受く飯光り     伊藤京子



高野山より雲湧いて真夏かな    栗栖仙龍



山の地図腰ポケツトに真夏来る  八幡より子



母の砥石ゑぐれてくぼむ真夏かな  平畑静塔



乱心のごとき真夏の蝶を見よ   阿波野青畝



新しき色氷塊と真夏空       飯田龍太



一望の真夏の渓へ蝶降れり     仙田洋子



日も月も大雪渓の真夏空      飯田蛇笏



大空に富士澄む罌粟の真夏かな   飯田蛇笏



焼跡や真夏の蝶の大いなる     岸本尚毅



飛行基地も四囲も真夏の篠つく雨  横山白虹



 
〜夏旺ん〜より私の好きな季語と私の俳句
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