8/9ページ目 ◆ 南天の花 ◆ 56》植物 南天の花のひそかに盛りなり 藤松遊子 南天の人声にさへ花こぼす 長沼三津夫 花南天裏木戸より訪う母の家 寺井谷子 花南天実るかたちをして重し 長谷川かな女 南天の花咲く鎖樋のそば 柴田白葉女 南天の花にかくれて人嫌ひ 鷹羽狩行 南天の花の向うの庭木かな 草間時彦 南天の花の重さに枝しなる 宇佐美ふく 南天の花にとびこむ雨やどり 飴山 實 南天の花の白さの夕べかな 岡本尚枝 南天の花のこぼるる庭の日々 若山良子 引越の荷が南天の花こぼす 加藤水虹 目を病みて南天の花いとほしむ 菅沼正子 ◆ 十薬(毒だみ) ◆567》植物 毒だみを軒いっぱいに干す山家 尾岸美代子 どくだみを蔭干しにして谿に老ゆ 加倉井秋を どくだみを日影に干して母のこと 寺田順子 禅寺の東司どくだみ明りかな 橋本榮治 植ゑ込みしごとく十薬一ト盛り 行方克己 十薬の花の盛りといふでもなく 行方克己 十薬や犬の出歩くきつね雨 小原俊一 産小屋の遺れり十薬咲くところ 富田潮児 十薬の匂ふ我が家のくらしかな 衲 敬子 十薬や母の生地の土やはらか 上田五千石 十薬にひと竿で足る濯ぎもの 長谷川秋子 さからはず十薬をさへ茂らしむ 富安風生 十薬の花ひつぱつて蜘蛛の絲 星野立子 十薬の花まず梅雨に入りにけり 久保田万太郎 十薬の匂ひに慣れて島の道 稲畑汀子 十薬の匂ひの高き草を刈る 高浜虚子 葉畳となり十薬の深緑 飯村周子 十薬や寺の東司の昼点り 松本三千夫 十薬を抜く戦争を知らぬ子と 川崎俊子 十薬の香もまた佳しと六十路かな 南美智子 十薬を煎じ詰めれば母がいる 長浜聰子 十薬や無事一日の湯のあふれ 工藤眞智子 毀すべき庭に十薬花盛り 和田祥子 十薬を道に散りばめ少し富む 林 翔 十薬の花のこし置く笑はれつ 遠藤はつ 裏庭に十薬咲かせ医師病めり 衣川砂生 十薬の花の十字や流人墓 村上喜代子 十薬の吊されかわく仁王門 澁川公子 十薬を干しすこやかに母在す 山川充恵 十薬や軒つき合はす島暮し 泉礼子 十薬の花触れあひて庭暗し 原田初枝 十薬の花敷きつめて泣き羅漢 橋本榮治 十薬の香の夕ぐれを跼みゐる 阿部みどり女 十薬や杉谷底の昼の闇 松根東洋城 十薬を揺すぶり去りし夕蛾かな 中村汀女 十薬の匂ひにおのれひき据ゑる 橋本多佳子 父母なくて十薬の花さかりなり 影島智子 十薬の十字殖やして荒るる闇 櫛原希伊子 十薬の花も風情やつゆの庵 中 勘助 十薬を抜き捨てし香につき当る 中村汀女 〜花南天〜より私の好きな季語と私の俳句 ご感想もよろしくお願いします。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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