7/9ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 枇杷 ◆ ５６７》植物 黒衣より掌を出し神父枇杷をもぐ 津田清子 枇杷すゝりをはりし双手宙にせる 岸風三楼 枇杷の種はずみころがる海の家 桜井博道 ぽつぺんを吹くやころころ枇杷熟れて 邊見京子 枇杷買うて舷梯のぼる夜の雨 橋本多佳子 枇杷の種弾みて富士の山開き 飯田龍太 高崎山に生まるゝ子猿枇杷熟るる 草本美沙 枇杷を食うこと楽しみに帰省せる 荒巻大愚 袋掛済みしばかりの枇杷の里 山元秀女 弔問の途中の枇杷が綺麗なり 鈴木伸一 無伴奏組曲夜の枇杷太る 浦川聡子 花びらのやうに枇杷むき近江びと 向山隆峰 枇杷熟るる古都法難の多かりき 浅賀穀象虫 紙の上に落ちて濃くなる枇杷の汁 田川飛旅子 枇杷もぎてもとの夜空へ枝を帰す 加倉井秋を 枇杷をむく指を反らしてすでに少女 加倉井秋を 枇杷を食むぽろりぽろりと種二つ 星野立子 枇杷熟るる出窓の多き異人館 中井啓子 水玉を生毛につけて卓の枇杷 福本天心 磯の香に峙つ山も枇杷のころ 水原秋桜子 枇杷は黄に天主の塔は海光に 石原八束 ハンケチに雫をうけて枇杷すする 高浜虚子 やはらかな紙につつまれ枇杷のあり 篠原 梵 爛々とをとめ樹上に枇杷すゝる 橋本多佳子 火山灰落して枇杷の袋掛く 峰山 清 塩田へかざす一と枝枇杷熟るる 佐野まもる 信堅き島人の枇杷熟れそむる 有働 亨 枇杷熟れて海女の仮寝の息ふかし 西村梛子 磯の香に峙つ山も枇杷のころ 水原秋櫻子 湖の日の金環枇杷の熟れにけり 丹羽啓子 潮曇る岬鼻の枇杷熟るる日は 松尾崎明美 枇杷もぎし山のやせける波の音 木下慈子 枇杷もぎのしなふ梯子や沖焼けて 空林美恵子 灘の色明るき雨に枇杷熟るゝ 秋元草日居 枇杷の実をふふみて刻のゆるみけり 久保羯鼓 不知火を故郷に持てり枇杷をむく 栗木麦生 子宝といふ古き語よ枇杷熟るる 外丘東子 枇杷熟るる吾を生み母を生みし地に 安立公彦 枇杷たわゝ朝寝たのしき女の旅 近藤愛子 灯や明し独り浴後の枇杷剥けば 石塚友二 枇杷熟れて古き五月のあしたかな 加藤楸邨 枇杷の雨やはらかしうぶ毛ぬらしふる 太田鴻村 ほんのりと枇杷の匂ひやご本尊 岸本尚毅 枇杷熟れて黒雲のゆく迅さかな 岸本尚毅 葉も幹も埃まみれや太る枇杷 山西雅子 枇杷熟るる国の大河をたたどりけり 夏井いつき 踝をいつぱいつけてをりし枇杷 大石雄鬼 枇杷の実の見えし天体望遠鏡 大石雄鬼 茶席てふ作法は言はず枇杷すする 稲畑廣太郎 枇杷の実を空からとつてくれしひと 石田郷子 枇杷剥きぬ不良になれぬ中年ヘ 櫂未知子 わからない国がどんどん増えて枇杷 櫂未知子 ～枇杷～より私の好きな季語と私の俳句 ご感想もよろしくお願いします。 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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