6/9ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 柿の花 ◆ 5/15-25》植物 柿の花の落つるが如く日雀かな 麻田椎花 柿の花落ちて雨滴の穽となる 中原道夫 埋れし陸奥の国府や柿の花 今田 拓 門に干せる鰹節蒸籠や柿の花 松林朝蒼 柿の花空の青さをまぶしめり 平田節子 父親のいつもゐなくて柿の花 栗島 弘 鈴振つて母が呼びをり柿の花 坂口良子 柿の花農婦戸口に入る背見ゆ 大野林火 柿の花浮く大甕の溜り水 福川悠子 柿の花こぼれて久し石の上 高浜虚子 渋柿の花ちる里と成にけり 与謝蕪村 こぼるるもくだつも久し柿の花 富安風生 我に淡き父の思ひ出柿の花 宮崎陽子 柿の花落ち尽すかに落ちにけり 加藤洋子 役馬の立ち眠りする柿の花 小林一茶 地に落ちて真昼にひゞく柿の花 相馬遷子 卵抱く鳥のまろさや柿の花 和田祥子 山河ありし少年の日よ柿の花 鈴木三四郎 柿の花落ちぬたちまち色褪せて 松村 恒 休日の家事丁寧に柿の花 緑川啓子 犬小屋はいつもからつぽ柿の花 木村さだ 自画像の子の首細し柿の花 橋本榮治 葉ごもりに淡き黄のあり柿の花 奥野元也 ふるさとやなつかしみ踏む柿の花 大竹孤悠 柿の花こぼるる枝の低きかな 富安風生 今もなほ床屋と呼ばれ柿の花 大久保白村 百年は死者にみじかし柿の花 藺草慶子 浮子しまふ箱ほそながし柿の花 中田 剛 外風呂や汲めばちり込む柿の花 巌谷小波 蜜蜂の箱を分けるや柿の花 松下紫人 鳥籠を風の襲へり柿の花 大木あまり 柿の花土塀の上にこぼれけり 正岡子規 長く住みて此頃咲きぬ柿の花 笠井歎水 犬小屋の屋根にもこぼれ柿の花 冨田みのる ◆ 青葉 ◆ ５６７》植物 橡の木といふたくましき青葉かな 古屋貞子 堕ちてなほ走りやまずに青葉滝 長谷川秋子 青葉光木となる来世ありぬべし 殿村菟絲子 背伸びして青葉ついばむ石たたき 中條りつ子 クレーン車家吊り上げる青葉光 林真砂江 棟上げの柱をくぐる青葉風 中井啓子 晩学のはじめに眼鏡青葉萌ゆ 井出絵衣子 心よき青葉の風や旅姿 正岡子規 ふりかへり見て万山の青葉濃し 白井常雄 新婚の荷を解く窓の青葉風 吉田鈴子 いんいんと青葉地獄の中に臥す 福田甲子雄 白壁や青葉明りの秋篠寺 大河内京子 絵馬幾重いくへに青葉時雨かな 樋口桂紅 指櫛に嬰の髪梳く青葉風 水下寿代 青葉して白花点じぬ姫林檎 石塚友二 水底の魚の触れあふ青葉光 ほんだゆき 谷底と見えて青葉の貴船径 北元多加 宝物の螺鈿きらめく青葉光 中村佳子 屋根裏に何棲みつきし青葉かな 佐々木六戈 青葉して高きより降る木兎の糞 栗生純夫 青葉して針箱の中貝釦 純子 かげおもて賑かに月の青葉かな 良太 夜学教師に青葉ひしめくコップの水 細見綾子 かくも小さくなりし母抱き青葉雨 河野美奇 柿の実の青葉がくれに古刹の灯 伊藤てい子 からだごとぐぐとチエ口弾く青葉かな 満田光生 鯉群れて水面にゆらぐ青葉かな 佐々木齋 青葉して御目の雫拭はばや 松尾芭蕉 陵(みささぎ)の青葉に潮の遠音かな 会津八一 國枯れて青葉うつろに繁りをる 横光利一 新築の青葉がくれとなりにけり 泉 鏡花 欄間より青葉へつづく父祖の闇 柿本多映 青葉の香日蝕の潮流れけり 朝倉和江 さびしさは父の眼鏡の青葉色 今瀬剛一 粥煮るや桜青葉に眉染まり 細見綾子 凧(いかのぼり)青葉を出つ入つ哉 小林一茶(33) 青葉がちに見ゆる小村の幟かな 夏目漱石(30) 宵うめをうてばかつ散る青葉かな 与謝蕪村 あらたうと青葉若葉の日の光 松尾芭蕉 梅の木の心しづかに青葉かな 小林一茶 前山の青葉かぶさる鯉生簀 長谷川 櫂 旅終へてこころやさしき青葉かな 山田みづえ 目には青葉山ほとゝぎす初がつほ 山口素堂 ～柿の花 青葉～より私の俳句へ [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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