5月の例句集

〜植物〜

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◆ 若葉 A ◆
56夏》植物



朴若葉子規の無念の畳かな    長谷川 櫂



朴若葉影絵のごとく霧の小屋    河野南畦



村古りて水車ものうき若葉哉    幸田露伴



枝蛙鳥のごと鳴く若葉かな     鈴木花蓑



柔かな萩の若葉に手をやりし    高浜虚子



校門の欅若葉の下を掃く 直人



槍投の裸像の空を若葉風      福本天心



槻若葉雫しやまずいつまでも    山口楸邨



標札をかくす一枚の蔦若葉     山口青邨



樹の膚に朱を打つ虫や若葉季   水原秋櫻子



武隈とはや年寄名若葉風    久保田万太郎



母恋し灯ともし頃の里若葉     田中冬二



水晶の念珠に映る若葉かな     川端茅舎



池の水かゞみ汲む人や藤若葉  長谷川かな女



汽車過ぎて烟うづまく若葉かな   正岡子規



法事すみ心安けし若葉雨      田中冬二



消息の聞えて恋し梅若葉      中村汀女



淺間山けふりの中の若葉かな    与謝蕪村



渓若葉水裂く声は鶺鴒ぞ      渡辺水巴



温泉の加減いつにかはらず若葉雨       久保田万太郎



濡れゆく人を羨しと見たり若葉雨  野澤節子



灌仏や蔦の若葉もあゆみそめ     千代尼



父の遺影ありてくつろぐ若葉の夜  森 澄雄



物の名をまづ問ふ蘆の若葉哉    松尾芭蕉



犬ころの子を貰ひ来し菊若葉   竹中よし女



産土神に灯あがれる若葉かな    芝不器男



田にひとりまたひとり増え芦若葉 松田ひろむ



病弟子は師に訪はるゝよ楢若葉   石田波郷



病院に母を置きざり夕若葉    八木林之助



皿替へて夕餉はなやぐ若葉季   古賀まり子



目を病むや若葉の窓の雨幾日    森 鴎外



相逢えば歳月消えて若葉の前   赤城さかえ



窓の燈の梢にのぼる若葉哉     与謝蕪村



竹青く棚繕ふや藤若葉       会津八一



筆とれは若葉の影す紙の上     森 鴎外



箸紙に住所書き合ふ窓若葉     都筑智子



糸萩の風軟かに若葉かな     芥川龍之介



老木若木枝を交へて若葉かな    森 鴎外



老鴬や若葉青葉の曇れる日     原 石鼎



胡桃若葉積木の家の並び建つ  阿部みどり女



芋植ゑて門は葎の若葉哉      松尾芭蕉



若葉して籠りがちなる書斎かな 夏目漱石(32)



若葉陰袖に毛虫をはらひけり    正岡子規



若葉雨渡り廊下にしぶきけり    山本洋子



若葉雨筍塚のぬれている      田中冬二



菰巻の植樹若葉す新設校      田中照子



萩若葉霖雨の中の晴一日      青木月斗



葎若葉都を離れ住み馴れし     内藤一進



葛の若葉吹き切りつ行く嵐かな   加藤暁台



蔦若葉がんじ搦めに遊女の墓   渡辺風来子



蔦若葉啄木鳥の洞かくれなし   沢田幻詩朗



蔦若葉小屋の破れを包みけり    桜堂治子



藪椿門は葎の若葉かな       松尾芭蕉



蚕屋障子透くはるかなり谷若葉 長谷川かな女



街若葉モンペ姿も見馴れける    林原耒井



街若葉子にはじめての眼鏡買ふ   中村秋晴



裏木戸やばさとかぶさり雨若葉   西山泊雲



讃美歌を低く和したる若葉かな   角川春樹



近き海を忘るゝほどの若葉かな   原 石鼎



逢ふもよし逢はぬもをかし若葉雨  杉田久女



部屋いまだ冬のまゝなる若葉かな  原 石鼎



鐘もなき鐘つき堂の若葉哉     正岡子規



雨に啼く鳥は何鳥若葉蔭      森 鴎外



青葉若葉昼中の鐘鳴り渡る     正岡子規



駄馬つづく阿蘇街道の若葉かな 夏目漱石(29)



魚やくや若葉の雨に湯治客     松瀬青々



魚を焼く匂ひして居り里若葉    田中冬二



鶺鴒や若葉たゝきに廂まで     尾崎紅葉



 
〜若葉〜より私の好きな季語と私の俳句
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