6/8ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 網戸 ◆ ５６７》生活 網戸より見ゆるものみな網戸色 原田耕二 螢籠網戸のごとく灯りたる 行方克己 蛾のほかは遠き山の灯青網戸 桂樟蹊子 網戸して世をはばかれるこころもち 福永鳴風 網戸入れ夜を鮮 (すこ) しくひとり住む 菖蒲あや 網戸ごしの葉ずれ映して赤ん坊 伊藤淳子 網戸はめ白樺の白変らざる 森田 峠 深海の明るさに青網戸かな 上田五千石 山荘にきてゐるらしく網戸嵌め 清崎敏郎 網戸越し例の合図をしてゆける 波多野爽波 くらがりに白雲のこる網戸かな 阿部みどり女 団欒の網戸にとまる秋の蝉 相河美智子 子の部屋の網戸に鳴けり秋の蝉 泉とし子 山せまりくる眞青なる網戸ごし 星野立子 身辺に加はる青さ網戸出す 児玉輝代 月さすや網戸に森の遠ざかる 水原秋桜子 網戸たて月明の海遠くしぬ 長谷川浪々子 網戸より見えてあふるる玩具箱 布川武男 音読の背なに重ねし青網戸 平林恵子 馬追の網戸を去らぬ胸さわぎ 伊藤孝一 網戸して小鳥のこゑのなかに病む 石田あき子 網戸して五感の世界広がりぬ 堀川福子 網戸入れ夜は深海に在る如し 平賀扶人 夜は木々の匂を強く網戸風 堤 京子 月さすや網戸に森の遠ざかる 水原秋櫻子 夕星を迎へむ網戸洗ひけり 織田耀子 切り返す言葉失くして繰る網戸 西村雅苑 雨音の近づいてゐる網戸かな 斉藤京子 灯を消して網戸越しなる山の精 渡辺和子 秋晴や網戸に松葉刺りある 野村喜舟 破れたる網戸にいつも行く視線 黒川悦子 蝶は飛び蛾の眠りゐる網戸かな 鈴木洋々子 晩涼や網戸に透ける港の灯 高浜年尾 たら～と星流れたる網戸かな 高野素十 ゑんどうや網戸が水に浸りをり 田中裕明 網戸して世に遠ざかるおもひかな 中田禮子 網戸より夕ぐれいろのはじまりぬ 橋場千舟 網戸嵌め只強くこそ住みなせり 高浜虚子 月光も潮の香りも網戸越し 岡本虹村 網戸抜け行ける煙草の煙かな 本井 英 水音の檜山夜に入る網戸かな 木村蕪城 花火焚く網戸ごもりの吾に見よと 亀井糸游 水鶏鳴く闇が埋めし網戸の目 亀井糸游 緑増す景に御陵も網戸越 亀井糸游 秋霖や網戸すだれと流人われ 永井龍男 夜明しのわれと蛾と居る網戸かな 永井龍男 秋の蚊に網戸ほつれし日吉館 大島民郎 網戸越し隣はチャイコフスキーの夜 山田弘子 指置けば網戸の山河凹みたる 田川飛旅子 深海の明るさに青網戸かな 上田五千石 網戸入れてより喪ごころもなじむ青 能村登四郎 笛少女網戸より風漉き入るる 原 裕 ～網戸～より私の好きな季語と私の俳句 ご感想もよろしくお願いします。 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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