5/8ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 夏帽子 ◆ ５６７》生活 黒もまた涼しき色よ夏帽子 野坂安意 丹頂チックの香の失せてゆく夏帽子 櫂未知子 あひあふやいづれも背廣夏帽子 会津八一 いく度も鏡の前に夏帽子 萩原まさえ わが夏帽どこまで転べども故郷 寺山修司 バスの棚の夏帽のよく落ること 高浜虚子 ピカソみる同じ傾斜の夏帽子 鶴田恭子 兄の形見の夏帽かぶり兄より老ゆ 安住 敦 原爆の図を見る子らの夏帽子 磯貝碧蹄 夏帽に照りて真白き雲ばかり 水原秋櫻子 夏帽に白雲遠く望みけり 島田青峰 夏帽のリボンたがへて姉妹 千原叡子 夏帽の三年にして焦げにけり 中村楽天 夏帽の笑顔瞼にありて亡き 加藤楸邨 夏帽や保養一念に湖辺宿 飯田蛇笏 夏帽や故郷を望む舟の中 赤木格堂 夏帽を吹きとばしたる蓮見かな 河東碧梧桐 夏帽を抱きて一日の旅づかれ 五十嵐播水 夏帽子くしやくしやにして挨拶す 山田みづえ 夏帽子のみが新し子は旅ヘ 石田あき子 夏帽子ネット裏まで列ぴたり 阿波野青畝 夏帽子笑はぬ少女の忘れ物 早川しょうこ 子にはぐれ夏帽の父歩きだす 宇多喜代子 手にとれば月の雫や夏帽子 泉 鏡花 http://pixio.jp/8IZftH4/ 故郷の艀舟嬉しき夏帽子 会津八一 松風をうつつに聞くよ夏帽子 芥川龍之介 果物の禮夏帽の裏見つゝいふ 廣江八重櫻 火の山の裾に夏帽振る別れ 高浜虚子 点滴台にかけたるままや夏帽子 森川美枝子 被災地によく売れてゐる夏帽子 西村和子 西瓜売りにゆく夏帽がへらへらす 中島南北 ◆ 日傘 ◆ ５６７》生活 日傘して汽笛の音の次を待つ 藤田湘子 山が乗る日傘の重し奥吉野 浦野芳南 唐寺を出る真白な日傘かな 有馬朗人 雨ありしあとの日傘や菖蒲園 鈴木花蓑 飛火野の一人が日傘ひらきけり 田畑美穂女 絵日傘の映りし水の美しき 本多勝彦 蓮池の向ふを妻の日傘来る 前山百年 はらからの墓にあづけし日傘かな 松村幸一 ※はらから＝同胞(どうほう) 兄弟姉妹 母ひとり大河を渡る日傘かな 老川敏彦 老人がすつぽり入りし日傘かな 細川加賀 昼が夜となりし日傘を持ちつづけ 波多野爽波 日傘まはし女一人の無駄遣ひ 長谷川秋子 ソ連船待つ影日傘はみ出せる 河野南畦 牧の山羊(やぎ)日傘の影を慕ひよる 阿部みどり女 たたまれて日傘も草に憩ふかな 阿部みどり女 磯の香の日傘のうちにこもりゐる 阿部みどり女 君がさす日傘の前を耕耘機 仁平 勝 風あまり強くて日傘たたみもし 高浜虚子 砂山に泳がぬ妹の日傘見ゆ 日野草城 二児連れて日傘の妻の遅れがち 山崎ひさを 熔岩原や水母の如く日傘ゆく 角川源義 鈴の音のかすかにひびく日傘かな 飯田蛇笏 まだ日傘さしてとほるや生姜市 加藤覚範 降りしきる松葉に日傘かざしけり 星野立子 犬吠の浜離れ行く日傘かな 菅谷泰夫 ベルリンの壁跡またぐ日傘かな 小川辰二 日傘さして亡き母が往く交差点 長谷川治子 ゆつくりと絵日傘たたむ妊婦かな 桑山撫子 日傘洗うめぐりくる夏疑わず 柏岡恵子 王宮の遺跡をあるく日傘かな 中矢伸子 先阻む日傘やうやくそれにけり 白岩三郎 日傘さし白き壁画の中通る 中山玲子 日傘廻して万葉の海を見に 小杉優子 妻と娘の日傘並んで坂下る 谷川昌弘 この町に生くべく日傘購ひにけり 西村和子 妻のものならぬ日傘の中に入る 大隅三虎 絵日傘を閉ぢて炎をたたみけり 橋本榮治 先ゆくは山家のひとか日傘せる 水原秋櫻子 撫肩に日傘をあづけ串だんご 平子公一 千体仏ひらく日傘に一つ入る 馬場移公子 傾けし日傘の中の砂丘かな 石田阿畏子 医師の嘘信じて日傘ひらきけり 矢野聖峰 ～夏帽子 日傘～より私の好きな季語と私の俳句 ご感想もよろしくお願いします。 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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