4/9ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 五月 ② ◆ 栗駒の五月の雪に日が沈む 阿部みどり女 樹海空機影五月の雲をいづ 飯田蛇笏 水の上五月のわかきいなびかり 大野林火 水源地五月の蝉の鳴き暮るる 榎本冬一郎 水路洗ふ農家総出の五月来ぬ 影島智子 汗ばめる母美しき五月来ぬ 中村汀女 没落はここに始まる五月の海 櫂未知子 浅間冴え松炭燃ゆる五月の炉 前田普羅 浜五月尾がきかん気の小判鮫 野沢節子 潮出でし海女に五月の雨そゝぐ 林原耒井 瀬田の雨葭簀をすきて五月かな 飯田蛇笏 炉語りや五月八日の夜の情 飯田蛇笏 煌々と五月の林樹液充つ 内藤吐天 照る雲に葡萄山畑五月来ぬ 飯田蛇笏 燃えはじむ反古の端とがり五月来る 渡邊陶火 牛の眼を金の虻すぎ五月来ぬ 岸風三樓 犬逸り五月乙女の腕伸び切る 西東三鬼 狸痩せ五月は楽の旺んなる 木村蕪城 猫葬り五月か一んと残りけり 北原志満子 瑠璃盤となりて五月の海遠し 日野草城 税関のブラス五月の空展け 高澤良一 童顔の警官五月の街に立つ 谷 和子 竹の精どよめき匂ふ雨五月 長谷川秋子 竹山や五月となりし鶸の声 太田鴻村 笠嶋はいづこ五月のぬかり道 松尾芭蕉 筍の根の紫の五月かな 野村喜舟 縁談や五月残雪ある他郷 及川 貞 縞木賊縞ありありと五月来る 青木重行 羊なんだかなんだかあるく聖五月 大石雄鬼 美しき五月の汗を拭はずに 鷹羽狩行 聖五月翼平かにマッキンレー 楠本憲吉 聖五月見合い写真に眼鏡なく 広瀬敦子 肩先に五月の冷えやプラタナス 石田あき子 脂乗つて光る五月の但馬牛 長谷川かな女 艀から艀に猫が跳ぶ五月 旭 昭平 若やぎて啼くや五月の郭公 立花北枝 蚕豆のみどり香走る五月来ぬ 鈴木真砂女 蛇生れて五月の詩歌かがやけり 榎本冬一郎 蜂蜜の結晶解けて聖五月 原田青児 蝙蝠傘の骨が五月の砂山に 佐藤鬼房 身ほとりに孫が寝返る聖五月 横山白虹 軒に佇ち撞球を見る五月の夜 宮武寒々 鉄線はわが好きの花五月来ぬ 星野立子 鉱山の五月のさくら小さく咲く 阿部みどり女 錦木の花咲く五月憂しやさし 田川飛旅子 開けてある窓の淋しき五月かな 角川春樹 電球に蛾を閉じこめし五月かな 寺山修司 電線が空を横ぎる五月かな 皆吉 司 青き中に五月つつじの盛り哉 正岡子規 青梅の屋根打つ音や五月寒 永井荷風 飛燕鳴き山村五月事多し 水原秋桜子 高原に五月の雪を踏みちらす 石橋辰之助 髪切つて白き野良帽聖五月 影島智子 髪洗ふ五月の風の井のほとり 及川 貞 鳥それぞれ産坐につきし聖五月 北川英子 鳥籠のブランコ揺する風五月 満田春日 鳳凰小屋五月の星の渦の中 渡辺立男 鳴つている電話放置や五月病む 大木美代子 鶏はしる五月一日のまひるまを 加藤楸邨 ～五月～より私の好きな季語と私の俳句 ご感想もよろしくお願いします。 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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