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◆ 風光る ◆
３４５春》天文
風光る水揚げの魚滝をなし 藤井淑子
棟梁の仕上の鉋風光る 徳田すゞ江
設計図に神棚の位置風光る 毛塚静枝
わが建てしわが墓碑銘に風光る 亀井糸游
障子ごとゆがめる庫裡や風光る 八木林之介
風光る心の中にもある遠景 楠本憲吉
立ち上がる仕掛け絵本や風光る 高橋秋子
一点を揺れるヨットや風光る 鈴木智子
やぼ用で抜ける花街風光る 橋本榮治
空と空繋ぐ吊橋風光る 長谷川秋子
一山を住宅にして風光る 柳沢たみ子
休み田の澄みたる水に風光る 新井フミ
真直に航跡延びて風光る 川端恵美子
花売りの海女の素顔に風光る 伊阪美祢子
風光る千畳敷の潮だまり 久米谷和子
装束をつけて端居や風光る 高浜虚子
窯出しの浅黄の小鉢風光る 垣迫俊子
修復の檜の足場風光る 岡崎淳子
風光る鳥になりたき子と駈けて 村田洋子
なつかしきくねくね道や風光る 市野沢弘子
風光る芙美子流転の漁師町 中村一維
直立の兎の耳や風光る ともたけりつ子
風光る海の匂ひのエアメール 北村照子
髪染めしばかりの妻や風光る 内田安茂
確かなる射程の鳥よ風光る 立川京子
風光るエアロビクスの大鏡 宮脇良子
ちぎれ雲嶺のうらゆき風光る 桂樟蹊子
遷宮を待ち新殿の風光る 西村旅翠
牛の仔に角らしきもの風光る 平賀扶人
風光る山車からくりの糸見えて 衣川砂生
寺継ぎし子に百畳の風光る 肥田葉子
ロダン像へ延びし若枝や風光る 部谷千代子
風光る男結びの子の荷物 前津栄子
風光る点訳聖書ひもとけば 神山果泉
母に読む少女小説風光る 山川芳子
風光る青年となる喉仏 柴田青水
一輪車あやつる子らに風光る 城台洋子
太極拳指を反らせば風光る 児玉まさお
蛸壺の野積み浜積み風光る 上田恵美子
甲板のホース膨らみ風光る 小林三郎
湖底より縄文の壺風光る 金子百子
風光る風にも放射能あらむ 仙田洋子
風光る石を出られぬ野仏に 冬一郎
海女の子の吹く水笛に風光る ひふみ
海鳥の胸のちからの風光る 柳下良尾
霊園の中の大路や風光る 和田耕三郎
神杉を少し揺さぶり風光る 稲畑廣太郎
生涯を終へしビルにも風光る 稲畑廣太郎
風光る大人のための九十九里 櫂未知子
 風光る Kazehikaru ダ 風 移 ム 光 住 に る の 見 地 下 ろ 蝉 す 海 |
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