3/13ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 春昼 ◆ ２３４春》時候 春昼や蜆こぼるる京の路地 斎藤朗笛 春昼や法廷に泣く人の声 原 石鼎 春昼や魔法瓶にも嘴ひとつ 鷹羽狩行 春昼の角を曲がれば探偵社 坂本宮尾 春昼や蓮如も越えし大峠 宇佐美魚目 春昼の生家貫ぬく太柱 野見山ひふみ 妻抱かな春昼の砂利踏みて帰る 中村草田男 竹藪の間に春昼の磧(かわら)見ゆ 金子兜太 春昼の盥に満ちて嬰児の四肢 山崎ひさを 春昼や鰐の群れゐて湯に眠る 上月大八郎 春昼の泥湯にひたる女かな 宮本のぶえ 春昼のわたしは古いインク壺 山口 剛 春昼の白紙にぬぐふ母の櫛 野澤節子 春昼の指とどまれば琴も止む 野澤節子 春昼の鏡愁ひをうつさざる 柴田白葉女 春昼や屋根のまぶしき霊柩車 相沢真智子 春昼や魔法のきかぬ魔法壜 安住 敦 春昼や坐ればねむき文机 杉田久女 ▲俳句画像.jpg 春昼やもたれてまろき寺柱 大野林火 春昼やひとり声出す魔法壜 鷹羽狩行 春昼や古人のごとく雲を見る 前田普羅 春昼や廊下に暗き大鏡 高浜虚子 日にむいて春昼くらし菊根分 飯田蛇笏 春昼の一人の部屋に電子音 橋本喜夫 春昼や突然目覚む冷蔵庫 浜本直子 春昼や代官坂に猫の飯 堀川けい子 春昼のガリバーとなる心電図 小室善弘 春昼の母乳吸ふ子の足遊び 酒井智代 時計塔より春昼のオルゴール 高橋一東 春昼の格子戸睡き祇園かな 杉山青風 春昼のまぶた重たき阿弥陀仏 矢神史子 メモばかり増え春昼の忘れもの 中村翠湖 春昼のモンロー歩きして家鴨 黒坂紫陽子 春昼の子兎抱かる耳伏せて 沢 聰 春昼の風呂ぞ父子の肌触れしめ 石川桂郎 春昼の絵皿より蝶出でて舞へ 朝倉和江 春昼の光を捲けり鉋くづ 田上久枝 春昼や庭師石にも語りかけ 富田くにを 春昼や内陣暗き阿弥陀仏 加藤多眠王 春昼や子が笛鳴らす遺族席 福田甲子雄 春昼の蟇一尺をうごきたる 宇佐美魚目 天地音なし春昼点滴す 野見山朱鳥 春昼を遅々と字を生む原稿紙 吉屋信子 春昼や玻璃一枚の内と外 今井千鶴子 春昼の泥の匂ひに慣れて釣る 青葉三角草 春昼の透き通りゐる鳰の声 青葉三角草 春昼に自分のための絵本買ふ 谷口桂子 春昼にひとりでえらぶ紅茶碗 谷口桂子 春昼といふ大いなる空虚の中 富安風生 春昼や山越えて来し魚売 田中冬二 春昼の話とぎれしまゝをはる 倉田紘文 春昼の背後に誰か来て祈る 横山房子 春昼やものの細かき犬ふぐり 松本たかし 春昼を唯々としばられ地蔵尊 町田しげき 春昼や生きては箸をうごかして 櫛原希伊子 春昼の牛啼いてをり大屋敷 石原舟月 ネクタイをゆるめ春昼の白湯を飲む 木村蕪城 春昼のすぐに鳴りやむオルゴール 木下夕爾 春昼やほのかに匂ふ山椒味噌 田中冬二 春昼を居酒屋に酌み痴けいる 田中冬二 春昼や村の床屋のヒヤシンス 田中冬二 春昼や厨に匂ふ山椒味噌 田中冬二 春昼の船を離るる船の影 野見山ひふみ 春昼や細くぬがれて女靴 永井龍男 春昼や劉生描く童女像 永井龍男 春昼をひらりと巫女の曲りけり 柿本多映 春昼のほろほろと泣くメリケン粉 坪内稔典 春昼の嵌め殺しなる硝子窓 辻 桃子 春昼や踏絵に残る銀の色 中川宋淵 何枚貼りても春昼のビラ同じ 加倉井秋を 子が嫁さば春昼琴の音も断たむ 安住 敦 春昼の遺書も遺書めくものもなし 安住 敦 春昼の第一病棟兵舎めく 大沢玲子 春昼の墓こゑもなし手鏡に 石田波郷 春昼のとろりと髪を刈られけり 小西明彦 春昼～自作俳句画像アルバムへ [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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