7/10ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 蝌蚪① ◆ ３４５》動物 ※ 蝌蚪（かと） お玉杓子 蛙の子 蛙子 蛙生る 蝌蚪の紐 数珠子 蝌蚪の水 蛙の子のことでお玉杓子。ちょろちょろと泳ぐ様が可愛いらしい。成長して手足が出て最後に尾が切れ陸で暮らす蛙に変身してゆく。 足が出て手が出て蝌蚪のさびしさは 行方克己 塵のごと沈みて一つづつ蝌蚪よ 行方克己 蝌蚪の水み仏の意に流るるか 村越化石 川底に蝌蚪の大国ありにけり 村上鬼城 尾を振つて流され行くや蝌蚪一つ 星野立子 蝌蚪漆黒氷の如き水に拠り 瀧 春一 幼子のひとりの消えし蝌蚪のくに 坂井三輪 蝌蚪に足少しいでたる月夜かな 長谷川双魚 囚はれの蝌蚪はひそかに愉しめり 長谷川秋子 田を捨ててかなしからずや蝌蚪育つ 小林康治 蝌蚪の水ふめば崩るゝ泥の色 石橋秀野 竹落葉ひらりと蝌蚪の水の上 山口誓子 蝌蚪小さし浮かびて消ゆる水泡よりも 中村草田男 蝌蚪育つ疑心の手足動かして 高橋悦男 病みて長き指をぬらせり蝌蚪の水 石田波郷 蝌蚪の紐重なりてなほ透き通る 岡本多美子 蝌蚪を見る病後の杖を抱きかがみ 皆吉爽雨 天日のうつりて暗し蝌蚪の水 高浜虚子 蝌蚪の水わたれば仏居給へり 水原秋桜子 流れ来て次の屯へ蝌蚪一つ 高野素十 かなたまで蝌蚪のおどろき及びけり 中村汀女 蝌蚪生るる田の半分に逆さ富士 天野武子 叱られし子が蝌蚪の国かき乱す 戸丸泰二郎 ひとまたぎ程の流れに蝌蚪のひも 沖山政子 一枚の水を天とす蝌蚪の国 奥谷亞津子 蝌蚪のゐる方が代田の水なりし 市場基巳 美人とはなべてふくよか蝌蚪の国 岸田雨童 笹小屋の風の笹音蝌蚪目覚む 大山クニ子 蝌蚪育つ癌病棟と知らぬ子ら 植木緑愁 蝌蚪の水にごさずをはるわが一生 丸山佳子 蝌蚪の国天上界にあめんぼう 富樫 均 棒切れを国境となす蝌蚪の国 伊藤瓔子 群はぐれたる蝌蚪の尾の静かなり 濱田のぶ子 蝌蚪飼ふやはてなき貧とおもへども 小林康治 晩婚の子の寝ふかしや蝌蚪の水 杉山岳陽 日輪や蝌蚪の水輪の只中に 水原秋櫻子 蝌蚪生るまだ眠たさの山四方に 前田鶴子 蝌蚪の紐雲の中より掴み出す ほんだゆき 行く雲の影にも散れり蝌蚪の陣 前田白露 蝌蚪生る屈折多き生涯に 水谷晴光 畦川や蝌蚪にもありし日向ぼこ 木村風師 蝌蚪飼つて一年生も反抗期 穐好樹菟男 蝌蚪生れ廃れ田の水流れ出す 加藤ひろ子 水の輪のちぢれて蝌蚪の群がれる 古山数枝 飽くるなき子の泥遊び蝌蚪生る 星 芳子 木道の足音蝌蚪をはじき出す 柴田芳子 蝌蚪の紐隣の紐を感じをり 佐々木六戈 氏素姓一塊りの蝌蚪生る 佐々木六戈 ◆ 蝌蚪② ◆ 蝌蚪見れば孤児院思ふ性を棄てよ 中村草田男 蝌蚪の上キューン～と戦闘機 西東三鬼 蝌蚪曇りなほ三月の日のごとき 山口誓子 受難日の烈風蝌蚪の水昏し 小林黒石礁 楢山の窪に蝌蚪生ふ木の芽季 水原秋桜子 蝌蚪生れて未だ覚めざる彼岸かな 松本たかし 日光は太陽の塵蝌蚪生る 鷹羽狩行 思ひつくことたちまちに蝌蚪泳ぐ 中村汀女 浮藻より蝌蚪かぎりなく出で来る 枴童 降りそそぐ雨にかぐろし蝌蚪の陣 淡路女 蝌蚪生れて畝火の溝に泳ぐなり 山口誓子 蝌蚪一つ落花を押して泳ぐあり 野村泊月 水底に蝌蚪の動乱して止まず 村上鬼城 この池の生々流転蝌蚪の紐 高浜虚子 蝌蚪の尾のしなやかにして花御堂 岸本尚毅 菖蒲田へ蝌蚪裏返りては流れ 岸本尚毅 蝌蚪の水乾きて鵯のよく啼く日 依光陽子 蝌蚪の水のぞくは旅の空ばかり 二村典子 あつさりと家去る長子蝌蚪に足 辻美奈子 蝌蚪の紐ひとに遅れてのぞきけり 佐藤美恵子 耳澄ましゐる少年と壜の蝌蚪 永方裕子 逆しまの山影蝌蚪のよりどころ 横山椒子 ちりぢりの蝌蚪にかくるるこころあり 軽部烏帽子 蝌蚪に打つ小石天変地異となる 野見山朱鳥 ひろしまや蝌蚪には深き地の窪み 野田 誠 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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