6/10ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 猫の子 ◆ ３４５》動物 猫の子は菫の花をねぶりけり 松瀬青々 猫の子の巾着なぶる涼み哉 向井去来 猫の子が道の一町先へ来て 山口誓子 猫の子や今朝又死(お)ちて籠の中 長谷川零余子 猫の子の爪硬からず草若葉 富安風生 猫の子の育つてゐたり志度詣 岡井省二 ※志度/しど／香川県の地名で海を越えても気がかりだった猫への心情を詠む 猫の子の養老院にもらはるゝ 近澤杉車 猫の子のひとり遊びを見てひとり 細川加賀 猫の子が踏むあぶな絵の畳皺 長谷川双魚 猫の子のつくづく見られなきにけり 日野草城 百代の過客しんがりに猫の子も 加藤楸邨 西もひがしもわからぬ猫の子なりけり 久保田万太郎 猫の子や秤にかかりつつじやれる 小林一茶 猫の子に抱くより早く鳴かれけり 橋本榮治 猫の子のくんづほぐれつ胡蝶かな 森川其角 猫の子の膳に随き来る旅籠かな 松藤夏山 猫の子や親を距離て眠り居る 村上鬼城 猫の子のもらはれていく行く袂かな 久保より江 ひとを待つ間に猫の子に名を授け 宇多喜代子 猫の子がちよいと押へるおち葉哉 小林一茶 猫の子に嗅がれてゐるや蝸牛 椎本才麿 猫の子のいづれに傅ふ柳かな 会津八一 猫の子を叱れば何か啼きにけり 高橋淡路女 つまみあぐ猫の子軽し月見草 横山房子 猫の子をのこし楸邨逝き給ふ 原田 喬 猫の子のもらはれて来し小島かな 山本洋子 猫の子と通夜の僧侶を迎へに行く 福田甲子雄 猫の子に障子のうちもよき日和 下村槐太 猫の子のほどく手つきや笹粽 小林一茶(59) ◆ 仔馬 馬の子 ◆ ４５春夏》動物 馬の子と牛の子とゐる野菊かな 夏目漱石(32) 二度呼べばかなしき目をす馬の子は 加藤楸邨 長梅雨や馬の目星の子を生みて 内田百間 芍薬の珠や仔馬もつやゝかに 加藤かけい 首長く遊ぶ仔馬や田掻畦 原 石鼎 母の綱につまづく仔馬乳へ急き 香西照雄 仔馬跳ね日高の海のかがやけり 佐藤萌代 仔馬が来馬車をひきつつ親馬来 成瀬正俊 親馬の跳べば仔馬もとびにけり 大原得考 母のゐる限り仔馬に未来あり 後藤比奈夫 貌をつぶして乳のむ仔馬霧の中 長谷川秋子 微風にも仔馬の聡き耳二つ 柴田白葉女 男郎花仔馬が跳ねてかくれなし 水原秋桜子 耳ながき仔馬あそべる袋掛 米谷静二 仔馬には里初めてや余花白き 大須賀乙字 一番に仔馬が駆けて牧開き 瀬川としひで 親馬のあとあしの辺を仔馬ゆく 星野立子 親馬は梳らるる仔馬跳び 高野素十 霧笛鳴る岬や寄り立つ親仔馬 渡会昌広 つきまとふ仔馬顧み田掻馬 八木澤高原 鞍置きて馴らす仔馬や青芒 平賀扶人 郭公におどろく仔馬走りけり 飯塚秀城 曲り家に仔馬の育つ軒菖蒲 堤 京子 鯉幟仔馬に影を蹴られけり 藤野 力 引く馬に仔馬は跳ねて青あらし 石川桂郎 仔馬まだ母に寄り添ふ夕疾風 藤原たかを 風光り仔馬たてがみそろひけり 平野露子 虎杖の花こぼしつゝ仔馬とぶ 石田雨圃子 乳のめる仔馬の首のよぢれをり 青葉三角草 いつも親のどこかに仔馬馬柵古び 渡辺 均 北の日蝕毬に仔馬に野の弾力 北 光星 摩耶詣仔馬の旅をいとほしむ 矢田挿雲 うまごやし仔馬がふみてやはらかき 四郎 旅たのしわが乗る馬車に仔馬つき 五十嵐播水 仔馬ひく橇(ソリ)をみんなが振り返る 高野素十 調教の仔馬の額のかまへやう 石田郷子 足踏みの好きな仔馬でありにけり 石田郷子 百合かぐや忽ち走る仔馬かな 原 石鼎 とことこと耕馬につける仔馬かな 野村泊月 拓地葬短し仔馬列にあり 太田土男 代かきの馬二頭立仔馬蹤く 右城暮石 脚かけて人にあまゆる仔馬かな 西本一都 木像の仔馬鈴さげ春の宮 田村了咲 牧の朝昨日生れし仔馬見に 星野立子 跳ねるから十勝の仔馬若葉いろ 金子皆子 自作俳句画像アルバム／～猫の子 馬の子 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
友達に教える [編集] 無料ﾎｰﾑﾍﾟｰｼﾞ作成は@peps! |