2/10ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 蛙 ① ◆ ３４５春》動物 うすら氷のけぶりつつ解け初蛙 栗生純夫 お納戸に昔の闇や初蛙 仲丸くら 水させば蛙ゐるなり浅間の田 前田普羅 ▲俳句画像.jpg 手をついて歌申しあぐる蛙かな 山崎宗鑑 あしたよりあかるき雨の遠蛙 石橋秀野 いうぜんとして山を見る蛙哉 小林一茶 ▲俳句画像.jpg いろ～に田の月動く蛙かな 藤野古白 およぐ時よるべなきさまの蛙かな 与謝蕪村 さざ波と見れば苗代蛙かな 井沢正江 さす戸惜しき月や田蛙こゑそだつ 及川 貞 さびしさに馴れて寝る夜の蛙かな 上村占魚 じつとして馬に嗅るゝ蛙哉 小林一茶(53) すみれ摘む袖に飛びつく蛙かな ふぢ ずか～と田に入りて蛙釣る児等よ 中塚一碧樓 どこの水に鳴く蛙かな夜の雨 長谷川かな女 どの家も大きく貧し蛙鳴く 田村了咲 どの部屋も蛙の声入れ新居かな 石川文子 なく蛙日をあつめ照る田一枚 金尾梅の門 なく蛙溝のなの花咲にけり 小林一茶(50) なく蛙白河に関はなかりけり 泉 鏡花 なにひとつなさで寝る夜の蛙かな 上村占魚 ねむたさの花の醍醐や遠蛙 大谷句佛 ねむるなり萬の蛙の聲の中 相馬遷子 ねむれねば寝ること捨てぬ遠蛙 及川 貞 ひる蛙夜蛙稼ぎ足らぬなり 牛山一庭人 ふと鳴いて白昼やさし野の蛙 大野林火 ふるさとの家に寝てきん蛙かな 吉田冬葉 ぼんやりと浮んでをりし蛙の子 齊田鳳子 まどろみの覚めぎは寒し昼蛙 中 拓夫 みづうみに星の殖えゆき初蛙 長田 等 みどり児と蛙鳴く田を夕眺め 中村汀女 みのむし庵日をうすうすと初蛙 西村公鳳 やがて田のいそがしくなる夜の蛙 長谷川素逝 わがみどりご声たしかなり蛙の夜 林 翔 ◆ 蛙 ② ◆ をよぐ田も飛ぶ田も有て蛙哉 横井也有 ▲俳句画像.jpg 一日あはず会へば眠き子蛙鳴く 林 翔 上げますと路のバケツに蛙の子 柳瀬重子 下向きの月上向きの蛙の田 西東三鬼 ▲俳句画像.jpg 初蛙料理の間とて暗かりき 田中裕明 初蛙われらにあとを継ぐ子なし 岸風三楼 初蛙湯町はづれに宿とれば 森田 峠 千萬の蛙の中や夕雲雀 石塚友二 危ぶめる者の声なり初蛙 相生垣瓜人 厨の灯消して今日終ふ遠蛙 山内弘子 取りつかぬ力で浮かむ蛙かな 内藤丈草 古池や蛙とび込む水の音 松尾芭蕉 名所に住んでつたなき蛙哉 正岡子規 呼びに来てすぐもどる子よ夕蛙 中村汀女 啓蟄の四肢わすれきし蛙の子 松村蒼石 啼き立てゝ暁近き蛙かな 前田普羅 啼蛙神もはじめて鳴ル夜かな 高井几董 喉太き蛙岬の横断路 成田千空 喪の底に月日失せをり初蛙 馬場移公子 夏近う蛙の殖える門田かな 会津八一 夕ベききあしたきき蛙いまだ見ず 川島彷徨子 夕月や田舟めぐつて鳴く蛙 正岡子規 夕蛙いもうと兄を門に呼ぶ 安住 敦 夕蛙農婦足もて足洗ふ 森干梅 夜はいつも縫ひゐし母や遠蛙 新明セツ子 夜蛙の声となりゆく菖蒲かな 水原秋櫻子 夜蛙やもの書き倦めば抱く子欲し 岡本 眸 夜蛙や愕と弱まる夫の脈 石田あき子 妻子いま夕餉のころか初蛙 長谷川 櫂 子とあれば吾いきいきと初蛙 橋本多佳子 子の家にゐて眠たしや昼蛙 安住 敦 子の寝ざまみな疲れをりなく蛙 金尾梅の門 子の忌近し夜々覚めがちに遠蛙 及川 貞 子ら着くを蛙の門に出でゝ待つ 石井とし夫 子供等に夜が来れり遠蛙 山口青邨 田を売りていとど寝られぬ蛙かな 立花北枝 ▲俳句画像.jpg [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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