6/13ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆春の潮 春潮①◆ ２３４春》地理 潮音寺春潮の音聞く寺か 山口誓子 春潮に耳だこできて潮まねき 能村研三 島尻に水尾引きそめぬ春の潮 上崎暮潮 春潮音鉛筆がころりころり 高野ムツオ かへりみて春潮すでに音のなき 行方克己 入り込んで春潮せめぎ合ふところ 行方克己 海鵜らし春潮をうちうつて飛ぶ 行方克己 春潮に沿ひゆくうなじ風のある 行方克己 春潮の汐先の色ふくみたる 行方克己 やどり木に春の潮満つ河口かな 安東次男 海人の櫂もてば鳴る春の潮 堀口星眠 春潮に人気なき艇揺れてをり 赤尾恵以 春潮に教へ子の住む島一つ 村松紅花 春潮が寄す水神の石畳 松井利彦 春潮といへば必ず門司を思ふ 高浜虚子 渦二百渦三百の春の潮 倉田紘文 春潮に身ををどらせし鴎かな 伊藤清子 朱欒叩けば春潮の音すなり 飯田龍太 春の潮ほんとは淋しい阿呆鳥 上原勝子 春潮や君抱きしめる母になる しらいししずみ 春潮に巌は浮沈を愉しめり 上田五千石 春潮の音くるぶしに響く夜 米沢恵子 春の潮異国の貝を置きて去る 斉藤 節 春潮の紺緊りゆく岬の日 柴田白葉女 岩舐めて引く力なき春の潮 小林康治 聚ふたのしさ春の潮待ち鴎にも 加倉井秋を 春潮や猫の額の漁師畑 堀之内和子 春の潮押して引かるるだるま船 村上辰良 春潮の瀬戸の大橋茜さす 富田たけ 春潮やわが総身に船の汽笛 山口誓子 もやひ綱捲く春潮をしたたらせ 道川虹洋 春潮や海女の厨の酢の香して 大野林火 春の潮柄杓で汲んで舟洗ふ 沢木欣一 春潮の穂の生れ伸び消ゆるまで 後藤夜半 春潮を見て来し胸や子を眠らす 細見綾子 美しき春潮の航一時間 高野素十 春潮のかけのぼらんとする崖に 山口青邨 いつとなく解けし纜春の潮 杉田久女 ※ともづな 囀や春潮ふかく礁めざめ 加藤楸邨 春の潮先帝祭も近づきぬ 高濱虚子 春潮と人魚の像と睦み合ふ 天岡宇津彦 春潮と人魚の像と睦み合ふ 天岡宇津彦 春潮に向けて護符置く海女の小屋 長浜聰子 春の潮わが青春に寮歌あり 和田あきを 恣意棄てに来し春潮のクリスタル 松本千鶴子 虚空蔵足裏に春の潮満つ 小形さとる 春潮に浮びて険し城が島 水原秋櫻子 春潮に水葬了へし汽笛鳴る 千代田葛彦 春潮の摶つとき巌の線をどる 水原秋櫻子 越えかねて岩をめぐりぬ春の潮 伊丹丈蘭 春潮を眼下に源平いくさ跡 籔田郁子 岬よく伸びて春潮たゆたへり 荒川曉浪 暁や北斗を浸す春の潮 松瀬青々 ひたひたと春の潮打つ鳥居哉 河東碧梧桐 春潮に流るる藻あり矢の如く 杉田久女 春潮の彼処に怒り此処に笑む 松本たかし [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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