10/13ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ うららか ◆ ３４５春》時候 うららかなけふのいのちを愛しけり 日野草城 うららかに人の心の知れがたく 木下夕爾 うららかに妻のあくびや壬生狂言 日野草城 うららかに毛虫わたるや松の枝 芥川龍之介 うららかに滝を仰ぎて濯ぎもの 岸本尚毅 うららかに船の煙のかげをふむ 五十嵐播水 うららかに道のわかれてゆきにけり 石田郷子 うららかやうすよごれして足の裏 日野草城 うららかや一度は死にし人ばかり 中川宋淵 うららかや一本指のピアノ音 足立悦子 うららかや啼き忘れたる鳩時計 民三 うららかや土の男雛のはね眉毛 野澤節子 うららかや女つれだつ嵯峨御室 正岡子規 うららかや小鳥生みだす飴細工 濱永育治 うららかや岩場高きに忘れ潮 鷹羽狩行 うららかや崖を乗り出す崖不動 三田きえ子 うららかや川が曲がれば汽車曲がる 沼 等外 うららかや幼な子の髪切り揃へ 柴田奈美 うららかや庭の野鳥に遠眼鏡 川崎俊子 うららかや恋の季節の動物園 波多野惇子 うららかや指もて計る幼靴 国井美代 うららかや杭より長き杭の影 久場俊子 うららかや氷の解けし諏訪の湖 正岡子規 うららかや海に入りたき川の魚 鷹羽狩行 うららかや牛の子も積む石炭船 田中英子 うららかや猫にものいふ妻のこゑ 日野草城 うららかや絵本の象が立ちあがる 藤井寿江子 うららかや荷馬糞り路甦る 殿村莵絲子 うららかや馬に曳かるる調教師 佐藤晴生 うららかや鴉はトビに追ひつけず 内藤良子 こどもの眼皆うららかに桜草 龍雨 とんからとんから何織るうららか 種田山頭火 なかに一つ怠け石仏うららかや 成瀬櫻桃子 なにもかもなくなつている麗かな 赤松 勝 なにも出ぬ打出の小づち麗らかな 中山純子 切売のキャベツ銅婚麗らかに 斉藤夏風 麗かにふるさと人と打ちまじり 高浜虚子 麗かに出土の壺の撫で肩や 羽部洞然 麗かや松を離るゝ鳶の笛 川端茅舎 麗らかや和琴の濱のさざら波 佐藤春夫 麗日にあくまで深き地蟲の穴 内藤吐天 盃の蒔絵うららに隅田川 京極杞陽 昼見ゆる星うらうらと霞かな 芥川龍之介 ◆ 長閑 ◆ ３４５》時候 つじかぜのそなた長閑にいかのぼり 高井几董 ほ句も好き洗濯も好き主婦長閑 高田つや女 もの縫へば長閑にホ句も忘れけり 長谷川かな女 人形も馬もうごかぬ長閑さよ 夏目漱石(46) 口笛吹けば蜂居ずなりぬ塀長閑 西山泊雲 古寺の古文書もなく長閑なり 高浜虚子 大佛のうしろ姿も長閑なり 正岡子規 届きたる柴に花咲く長閑かな 下村槐太 明天子上にある野の長閑なる 夏目漱石(30) 煙れども長閑なる日の火山かな 青木薫風郎 牝牛鳴けば牡牛鳴く牧長閑かな 長谷川零餘子 琴の音に鶴の歩の長閑さよ 田村西男 耳遠き夫婦いよいよ長閑なり 山口いさを 蝶長閑馬に蹄鉄打つ門を 中川四明 長閑さに無沙汰の神社廻りけり 炭 太祇 長閑さや垣の外行く薬売り 夏目漱石 長閑さや日向の独活に蟻上下 原 月舟 長閑さや浅間のけぶり昼の月 小林一茶(57) 長閑さや脹れた腹をもてあます 尾崎紅葉 長閑さや覚えそめたるスペイン語 左右木韋城 長閑さや障子の穴に海見えて 正岡子規 長閑さを語る石屋と大工かな 中村楽天 長閑すぎて虚雷きくなり山の湖 大須賀乙字 鳥影に吠えたつ小犬畑長閑 西山泊雲 のどかさやつついて見たる蟹の穴 正岡子規 のどかさや杖ついて庭を徘徊す 正岡子規 のどかさや白帆過ぎ行く垣の外 正岡子規 のどかさや鞄寄せある岩畳 森田公司 のどけさや雛子(ひよこ)の中の馬の顔 中川宋淵 のどけしや港の昼の生肴 荷兮 朝の間の予定なき旅のどけしや 稲畑汀子 自作俳句画像アルバム／今日の季語～●～より一句 最新作です。過去の写真俳句は、リンク画像を。ご感想もよろしく [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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