8/13ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 春の暮① ◆ つづき ※ 春の暮(はるのくれ)は春の夕方の頃を表す季語。春の終わりの頃を表す季語は、暮の春となります。微妙ですが、どちらも共通する響きを感じさせます。 拾ひたる貝の雫や春の暮 大木あまり 春の暮暗渠に水のひかり入る 加藤楸邨 しろがねのやがてむらさき春の暮 草間時彦 日曜もなき商売や春の暮 鈴木真砂女 ここに又住まばやと思ふ春の暮 高浜虚子 入相の鐘も聞えず春の暮 芭蕉 真白なる猫が墓守る春の暮 吉野義子 春の暮牛舎に黒き人の影 藤岡勢伊自 白壁の白あふれだす春の暮 岩井三千代 知らぬ間の打ち身の蒼さ春の暮 黒河内多鶴子 春の暮家路に遠き人ばかり 与謝蕪村 潮吹いて鯨老いゆく春の暮 木内彰志 遠きより山かげ消ゆる春の暮 相馬遷子 天地に妻が薪割る春の暮 石田波郷 植木屋がぼつちやんと呼ぶ春の暮 野中亮介 みほとけの指まだ見ゆる春の暮 野中亮介 春の暮鴉は両翼垂らしとぶ 山口誓子 いづかたも水行く途中春の暮 永田耕衣 きまじめに馬歩きだす春の暮 間石 頬杖のやがてもの食ふ春の暮 繁子 春の暮玉し火ひとつ野を帰る 枇杷男 文目濃く母の老いゆく春の暮 原 裕 春の暮頭の何処か琴鳴りて 昌寿 傾城のうすき眉毛や春の暮 松瀬青々 ふるえ止まぬ車内の造花春の暮 西東三鬼 春の暮白き障子を光とし 橋本多佳子 犬が来て覗く厨の春の暮 山口誓子 ◆ 春の暮② ◆ 下京の窓かぞへけり春の暮 小林一茶 野遊びやたつて腰うつ春の暮 信徳 近づけば山あそびゐる春の暮 藤田湘子 足を見て考へてをる春の暮 上野 泰 町なかの昔の松の春の暮 山口誓子 天心に手足あそばす春の暮 齋藤愼爾 この幹の裏に蛾のゐる春の暮 依光陽子 廃駅に落書多し春の暮 皆吉 司 石捨てて子どもが帰る春の暮 日原 傳 馬の尾のぼろぼろである春の暮 夏井いつき 松ぼくり燃えしぶりをり春の暮 小川軽舟 人体に直線なけれ春の暮 小川軽舟 あぶな絵を脇より覗く春の暮 石嶌 岳 ゆくゆくはわが名も消えて春の暮 藤田湘子 向うにも老人のゐる春の暮 石田勝彦 赤き浮子みつめてをれば春の暮 中田 剛 陵の石段下りぬ春の暮 田中冬二 ※ 陵 みささぎ 妻亡くて道に出てをり春の暮 森 澄雄 女房のふところ恋ひし春の暮 松瀬青々 しばらくは桃のさかりを春の暮 久保田万太郎 水の上を水が流れて春の暮 桂 信子 薄紙も炎となりぬ春の暮 桂 信子 地に添うて鶏の一日春の暮 桂 信子 大釜の米押し洗ふ春の暮 岡本 眸 門に倚り門の貌して春の暮 鳴戸奈菜 能面に眼窩ふたつや春の暮 奥坂まや 煙突に煙まつはる春の暮 辻 桃子 草上に辞典を残す春の暮 宇多喜代子 春の暮御用～とサロンパス 坪内稔典 どの家も乳をこぼすよ春の暮 坪内稔典 俳諧を受話器に切りし春の暮 加藤郁乎 われのみがゆあみのあとの春の暮 下村槐太 鮨くうて皿の残れる春の暮 桂 信子 ごんと鳴る鐘をつきけり春の暮 夏目漱石(32) 人寂し優し怖ろし春の暮 永田耕衣 赤猫のうるさくなりぬ春の暮 山店 新宿は麦に穂がつく春の暮 史邦 今日生きし証しもなしの春の暮 野見山朱鳥 盲母いま盲児を産めり春の暮 赤尾兜子 入逢の鐘もきこえず春の暮 松尾芭蕉 鐘撞かぬ里は何をか春の暮 松尾芭蕉 入りかかる日もほどほどに春の暮 松尾芭蕉 あちら向に寐た人ゆかし春の暮 与謝蕪村 理髪屋の…自作俳句画像アルバム [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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