4月の例句集

〜時候〜

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◆ 行く春 @ ◆
45》時候



ふと摘みし花に春ゆく静寂かな   中島月笠



カナリヤの脚の薄紅春逝くか    桂 信子



人の死や春ゆく水に月のかげ    飯田蛇笏



古ひびを堤に揚げて春逝きぬ    瀧 春一



四阿や此處に春ゆく木瓜二輪    渡邊水巴



寂光院春ゆくまゝの松さくら    萩原麦草



小降りして鴎に春ゆく清見潟    飯田蛇笏



工場裏湫なし雨の春ゆくか     臼田亞浪



春ゆく日静けき樫の木蔭かな    高田蝶衣



春尽きて山みな甲斐に走りけり   前田普羅



春行くや苗一つ〜しまふ燈に    渡辺水巴



春逝きてしばらく春のとどまれり  角川春樹



春逝くやしきりに枯るゝ竹林    前田普羅



春逝くや白きベッドの幾起伏   鷲谷七菜子



春逝くや高きところに亀ねむり   桂 信子



曇り勝ちに春行く日やな籠り居る  島田青峰



歌舞伎座は雨に灯流し春ゆく夜   杉田久女



烏賊に触るゝ指先や春行くこゝろ 中塚一碧樓



父逝きて春行くことの早かりし   野口都史



野にいでて春ゆく眺め雁をみる   飯田蛇笏



金魚売出でて春行く都かな     室生犀星



風音や春逝くときは忍び足     桂 信子



髪切つて春逝くこころ定まれり   野澤節子



ゆく春のいでゆの宿の名は法師   吉屋信子



ゆく春のお寺の中に貸家かな   高橋淡路女



ゆく春のこころに拝む仏かな    飯田蛇笏



ゆく春のとどまる処遅ざくら      召波



ゆく春の夜のどこかで時計鳴る  種田山頭火



ゆく春の月に鵜の鳴く宿りかな   飯田蛇笏



ゆく春の笛に妻恋ふ盲あり     飯田蛇笏



ゆく春の蟹ぞろ〜と子をつれぬ   飯田蛇笏



ゆく春の試合の行方どうでもよし  辻 桃子



ゆく春は麦にかくれて仕舞けり     青羅



ゆく春や一寸先は木下やみ     横井也有



ゆく春や下駄箱にある亡妻の靴   荒巻大愚



ゆく春や四国へわたる旅役者    吉井 勇



ゆく春や日々に忙しく日々に雨   及川 貞



ゆく春や汐ひききりし岩だたみ  鈴木真砂女



 
◆ 行く春 A ◆



ゆく春や汐騒はわが鎮魂歌    鈴木真砂女



ゆく春や身に倖せの割烹着    鈴木真砂女



ゆく春や逡巡として遅桜      与謝蕪村



ゆく春や野沢の宿の花林檎     田中冬二



行く春に和歌の浦にて追ひ付きたり        松尾芭蕉



行く春のはたごに画師の夫婦哉 夏目漱石(47)



行く春の千体仏の燭ゆれて     細見綾子



行く春の厩にのこす馬の鞍    馬場移公子



行く春やほうほうとして蓬原    正岡子規



行く春ややぶれかぶれの迎酒    正岡子規



行く春や同車の君のささめごと   与謝蕪村



行く春や吾がくれなゐの結核菌   石田波郷



行く春や壁にかたみの水彩画  夏目漱石(45)



行く春や大浪立てる山の池     前田普羅



行く春や寺町の中の牡丹桜     田中冬二



行く春や披露待ちたる歌の選  夏目漱石(47)



行く春や撰者を恨む歌のぬし    与謝蕪村



行く春や日記を結ぶ藤の歌     正岡子規



行く春や流水羽根のごと光り    大串 章



行く春や知らざるひまに頬の髭 夏目漱石(47)



行く春や蒲公英ひとり日に驕る   室生犀星



行く春や鳥啼き魚の目は涙       芭蕉



行く春を白い小花は山いちご    細見綾子



行く春を近江の人と惜しみける     芭蕉



逝く春のテープにのこる父の聲  下村ひろし



次頁〜行春の例句へ〜続く




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