2/13ページ目 ◆ 花冷え ◆ 4春》時候 花冷えや今宵鰈をバタ焼に 野村喜舟 ▲俳句画像.jpg また夜が来て花冷えの癌病棟 竹鼻瑠璃男 妻抱いて乗る花冷えの救急車 西浦一滴 宿直の夜は花冷のすさまじき 波多野爽波 母の死は一老婆の死花冷す 山田みづえ 花冷えの猫ゐて印度大使館 細谷喨々 花冷えや履歴書に押す磨滅印 福永耕二 花冷えや烏賊のさしみの糸づくり 鈴木真砂女 花冷の百貨店より電車出づ 館岡沙緻 花冷の茶店やいたく煙らする 五十嵐播水 花冷や手焼煎餅売れる寺 西本一都 花冷や朝市に買ふ旬のもの 伊東宏晃 花冷や柱しづかな親の家 正木ゆう子 うどん屋を探して歩く花の冷 稲畑汀子 ▲俳句画像.jpg 花冷や磨き清めし城の床 澤田緑生 花冷や翅なきごとく蜂あゆむ 林 翔 花冷や茄子にトマトに季節なく 鈴木真砂女 花冷や落丁のある明治の書 復本鬼ヶ城 花冷や過去映すまで鏡拭く 有馬朗人 風車廻らず差され花冷ゆる 長谷川かな女 満月を上げて八分の花の冷え 屋森澄雄 穿き馴れし下駄の片べり花の冷え 石川文子 花の冷雨寂々とふりにけり 松瀬青々 誕生も死も花冷えの寝間ひとつ 福田甲子雄 花冷や産後の猫がアトリエに 日原 傳 ▲俳句画像.jpg
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