10/11ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 木の芽 ① ◆ ３４春》植物 ※『木の芽』は、主に葉になる新芽のこと ここだけの話広がる木の芽時 添野光子 ▲一句画像へ ふくらんで母となりゆく木の芽時 仙田洋子 アメリカの自由を歩く木の芽どき 秋本敦子 子の部屋を庭より覗く木の芽季 殿村莵絲子 木の芽どき待つ山鳥のかしこさよ 松村蒼石 楢山の窪に蝌蚪生ふ木の芽季 水原秋櫻子 舟を得て故山に釣るや木の芽時 飯田蛇笏 良妻か過労病み臥す木の芽どき 及川 貞 源泉に硫気ほのかや木の芽時 上田五千石 夜の色に暮れゆく海や木の芽時 原 石鼎 木の芽時疲れを溜めて水輪見る 田川飛旅子 ひた急ぐ犬に会ひけり木の芽道 中村草田男 隠岐やいま木の芽をかこむ怒濤かな 加藤楸邨 アパートがつひの棲家か木の芽和 鈴木真砂女 ▲一句画像へ 新しき牧場の柵や木の芽風 宮成鎧南 木の芽して今おもしろき雑木かな 高浜虚子 かりんより柘榴に飛びし木の芽かな 古舘曹人 匙を見て母が口開く木の芽寒 岡本高明 快々と籠る日々なり木の芽立つ 田川飛旅子 栗鼠はしる音に歩を止む木の芽晴 つじ加代子 杣人の雪消しといふ木の芽雨 岡村紀洋 しなやかに鹿の胴のび木の芽食む きくちつねこ みどり子のまばたくたびに木の芽増え 飯田龍太 晴天に苞押しひらく木の芽かな 杉田久女 木々おのおの名乗り出でたる木の芽かな 小林一茶 下の子の父の背越えし木の芽和 小平 湖 おにぎりに思はせ振りな木の芽雨 田口珂那 ▲一句画像へ …葉より花が先に咲く木の種の花芽は『冬芽』『冬木の芽』 ※春の季語となる『木の芽時』は、時候 (三春)／『木の芽和』は、生活 (三春)／そのほか『木の芽晴』『木の芽雨』『木の芽風』『木の芽立ち』『木の芽吹き』『木の芽寒』などは、『木の芽』に含まれ植物 (三春)に属す。 …と複雑な分類もあるが、『木の芽』ひとつで十分まとめられると思う。 ◆ 木の芽 ② ◆ あけぼのの白き雨ふる木の芽かな 日野草城 ▲一句画像へ 五時間の時差ある夫婦木の芽和 小高沙羅 鞍馬への雨やはらかし木の芽和 鈴木道子 闘犬の綱真新し木の芽風 森藤千鶴 鐘楼の四方に空あり木の芽晴 伊沢健存 木の芽山どこかに父を隠し了ふ 橋本榮治 木の芽和この頃朝の食すゝむ 上村占魚 大原や木の芽すり行く牛の顔 黒柳召波 骨柴の刈られながらも木の芽かな 凡兆 一色に目白囀る木の芽かな 浪化 くぬぎ原さゝやく如く木の芽かな 虚子 ばらばらのピカソの顔や木の芽風 仙田洋子 河の下走る地下鉄木の芽寒 和田耕三郎 犬と馳ける家のまはりや木の芽晴 長谷川かな女 ▲一句画像へ 二人なら以下省略の木の芽和 櫂未知子 にんげんのはじめを思い木の芽和 山崎 聡 天保の墓石ざらざら木の芽風 藤田枕流 舐め癒やす傷やぼうぼう木の芽山 西東三鬼 木の芽雨今日の予定の街に来て 稲畑汀子 退院の荷のこまごまと木の芽雨 片山由美子 眠るべく火を絶ちにけり木の芽雨 岡本 眸 検眼の二の字コの字や木の芽雨 兵頭幸久 点滴の一滴づつが木の芽まで 内田 啓 小走りに雨の木の芽を摘みにけり 太田南岳 今掃きし土に苞ぬぐ木の芽かな 杉田久女 葺きかへて木の芽の中の藁屋かな 野村泊月 ▲一句画像へ [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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