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◆ 梅ヶ香 ◆
２３春》植物
梅ヶ香や湯浴みすみたる療養馬 天野英子
梅が香の四阿にある自在鉤 塩野きみ
単線のドア開くたび梅匂ふ 平山八十子
香りきてあり処知る夜の梅 内野聖子
盆梅の白き一輪香を放つ 小野ちゑ
万蕾の梅にして香を洩らさざる 中田貞子
畑仕事女一人に梅香る 浅野恵美子
梅林の香のあり余る独りかな 八木下巌
梅が香や鶏寝たる地のくぼみ 如行
誕生日は旅の最中や梅香る 城戸愛子
一輪の梅の香りの茶の間かな 杉谷志津子
五合庵老梅の白香りをり 吉江潤二
梅の香の疎らにバイオ研究所 岩月優美子
梅が香や歯のかけてをる鬼瓦 植木戴子
梅が香に胎児またまた燥ぎをり 竹内千春
ガス燈の炎のやはらかに梅匂ふ 渡辺美代
母の忌は我が誕生日梅香る 八木葉子
梅の香よ届け妻臥す病窓へ 大橋 晄
梅が香をすゝり込だる菜汁哉 一茶(47)
梅が香や乞食の家ものぞかるゝ 榎本其角
梅が香や見ぬ世の人に御意を得る 松尾芭蕉
梅が香に追ひもどさるる寒さかな 松尾芭蕉
梅が香や尋ぬるほどの枝にさへ 千代尼
梅が香につれ立つ日さへまだ寒し 千代尼
梅が香や鳥は寝させてよもすがら 千代尼
梅が香や戸の開く音はおぼえねど 千代尼
梅が香や谷へむかいに行戻り 千代尼
梅が香やことに月夜の面白し 千代尼
梅が香や朝々氷る花の陰 千代尼
梅が香にまよはぬ道のちまたかな 内藤丈草
梅が香にのつと日の出る山路かな 松尾芭蕉
◆ 黄梅 ◆
２３春》植物
黄梅の乱れを括り入院す 佐々木 峻
ここちよき日や黄梅の咲きつづく 小泉当子
黄梅や日曜ミサへ通ひ猫 山田六甲
黄梅に明るき雨の降りにけり 吉田順子
黄梅の柳川に根をなだれ咲き 山田六甲
くぐり戸の出来黄梅の庭つなぐ 稲畑汀子
黄梅やもの言はざるを金といひ 鷹羽狩行
黄梅や図面地べたに測量士 柴田久子
黄梅の咲く石垣や乳母車 河野政恵
黄梅のさ走り咲けり水の上 松本三千夫
待ちかねし路地の黄梅咲きはじむ 田中藤穂
黄梅や眼下の海は銀色に 熊切光子
◆ 紅梅 ◆
２３春》植物
紅梅のかくもしだれて地に触れず 鷹羽狩行
坂下はすぐに汀や薄紅梅 小澤克己
繚乱の紅梅仰ぐわが八十路 林 翔
紅梅や湯上りの香の厨ごと 岡本 眸
紅梅の咲き修めたる月斗の忌 小島花枝
転生の紅梅と変身のヒヤシンス 本橋怜加
鯉水をうつて寂たり紅梅花 三好達治
白梅になき仏心を紅梅に 森 澄雄
紅梅の紅の通へる幹ならん 高浜虚子
紅梅や母の文箱に父の文 原 裕
紅梅のあと白梅の散る軽さ 原 裕
紅梅の夢白梅のこころざし 大串 章
ぱつぱつと紅梅老樹花咲けり 飯田蛇笏
紅梅にはつきりと雨あがりたる 星野立子
紅梅や見ぬ恋つくる玉すだれ 芭蕉
紅梅の中より遍路来る日和 綿谷ただ志
白梅も紅梅も雨遍路かな 佐々木六戈
2011年02月25日 撮影
６年後の一句
梅が香を掻き混ぜタクシー下りけり
 梅が香 Umegaka Bairin 掻 梅 下 き が り 混 香 け ぜ を り タ 蝉 ク 海 シ ｜ |
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