1/1ページ目 ◆ 恋猫 ◆ 23春》動物 恋猫に思ひのほかの月夜かな 中村汀女 ▲一句/7点画像▼前へ/次句画像6点へ 山中に恋猫のわが猫のこゑ 橋本多佳子 山門を出て恋猫に豹変す 町田しげき 恋猫となりげんげ田を彷徨す 三谷 昭 恋猫とはやなりにけり鈴に泥 阿波野青畝 恋猫に大学の垣長くあり 田村了咲 恋猫に大きなドアを開けもする 中村汀女 恋猫に戸をあけてやる森の星 及川 貞 恋猫に給水塔のただ高し 池田秀水 恋猫のあはれやある夜泣寝入 正岡子規 恋猫のかへる野の星沼の星 橋本多佳子 恋猫のこゑの百態聞きて癒ゆ 橋本榮治 恋猫のこゑを真似して通りけり 高澤良一 恋猫の中のわが猫うひうひし 殿村莵絲子 恋猫の丹下左膳よ哭く勿れ 阿波野青畝 恋猫の帰る野の星海の星 加倉井秋を 恋猫の眼ばかりに瘠せにけり 夏目漱石(40) 恋猫の身も世もあらず啼きにけり 安住 敦 恋猫の陥ちたる音の闇ふかし 菖蒲あや 恋猫の顔の大きが来たりけり 辻 桃子 恋猫やからくれなゐの紐をひき 松本たかし 老残の恋猫として啼けるかな 安住 敦 越して来て早や恋猫として鳴けり 奈良文夫 追はれたる恋猫鳴くや塀の外 五十嵐播水 階段を恋猫追つて登るかな 長谷川かな女 雪解風恋猫のこゑぼろぼろに 中 拓夫 恋猫の皿舐めてすぐ鳴きにゆく 加藤楸邨 ◆ 猫の恋 ◆ おそろしや石垣崩す猫の恋 正岡子規 はるかなる地上を駆けぬ猫の恋 石田波郷 ふみ分けて雪にまよふや猫の恋 千代尼 よもすがら簀の子の下や猫の恋 正岡子規 コインテレビはたと像消ゆ猫の恋 奈良文夫 凍え死ぬ人さへあるに猫の恋 正岡子規 啼きやめて糞したりけり猫の恋 藤野古白 大仏にもつてのほかの猫の恋 角川春樹 寝て起て大欠して猫の恋 一茶 山國の暗すさまじや猫の恋 原 石鼎 眠り薬利く夜利かぬ夜猫の恋 松本たかし 日の入やはや屋根に出る猫の恋 正岡子規 星はみな西へ下りゆく猫の恋 山口誓子 淡雪や通ひ路細き猫の恋 寺田寅彦 猫の恋五百羅漢をはばからず 山本歩禅 老猫の恋のまとゐに居りにけり 高浜虚子 色町や真昼しづかに猫の恋 永井荷風 順礼の宿とる軒や猫の恋 与謝蕪村 鳴き通る雪間雪の上猫の恋 皆吉爽雨 鼻先に飯粒つけて猫の恋 小林一茶 転び落ちし音してやみぬ猫の恋 高井几董
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