2月の例句集

〜植物〜

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◆ 下萌 ◆
2春》植物


下萌にねじふせられてゐる子かな  星野立子



下萌や鶏追ふ人の躍る如し     原 石鼎



下萌や抱かれて猛る敗れ軍鶏   平井さち子



下萌や綱に絡まる孕み山羊     棚山波朗



下萌の庭をながめて二階住     森田 峠



縦横に枯木の影や下萌ゆる     高浜虚子



下萌えや猫葬りてぐうたらに    鳥取芳子



下萌に正倉院の雀かな       林 秋子



刑場址すなはち聖地下萌ゆる   下村ひろし



下萌や静かに生きて子を持てる  宍戸富美子



下萌は声あぐるごと乳母車      林 翔



下萌や地平に消ゆる羊飼      和田克己



待つといふ優しきひびき下萌ゆる  鈴木千恵子



祈るとは願ふにあらす下萌ゆる   京極杜藻



下萌や薪をくづす窓あかり     室生犀星

※薪 たきぎ



下萌に山門一つ句碑一つ      星野 椿



人死して一坪の墓下萌ゆる     藤松遊子



下萌ゆと気づき我が影にも気づく  西村和子



下萌えの崖を仰げば子のちんぽこ  西東三鬼



下萌ゆる力となりて降る雨よ    稲畑汀子



下萌えや水仙ひとり立ちしざり    千代尼



 
◆ はこべ ◆
234春》植物



はこべらに物干す影の吹かれ飛び  野澤節子



黒土の銀座の花壇はこべ生ふ   松崎鉄之介



こまごまとはこべの花や登山駅   皆川盤水



へしこ焼く匂ひを湖へ繁縷萌ゆ   浜福 恵



父の名を貰ひて六十路はこべ萌ゆ  伊藤豊美



栄達に遠しはこべら道に咲き    安住 敦



はこべらを褥としたり猫眠る    谷村幸子



せりなずなごぎょうはこべら母縮む 坪内稔典



はこべらや埋立てられて海遠し   長崎桂子



積み置きし鉢にはこべら咲きにけり       天野美登里



智恵なきにあらず乏しきよはこべ摘む      成瀬櫻桃子



御形はこべら川の流れに濡れてをり 竹内悦子



朝摘みし庭のはこべら草の粥  久保田富士子



はこべらや津波の揚げし船ねむる  田山真弓



捨鉢にまずはこべらの生ひにけり  田尻勝子



はこべ手に八十路の友の幼顔    福永幸子



材木の置かれつぱなしはこべ咲く       きくちえみこ



丸木橋わたる幸せ花はこべ     田中道江



鳥かごの鳥に差し出す花はこべ        きくちきみえ



 
◆ ものの芽 ◆
23春》植物



ものの芽のあらはれ出でし大事かな 高浜虚子



鍵使ふたびものの芽の殖ゑてをり  別府 優



復興の兆しものの芽出づること  稲畑廣太郎



ものの芽に赤子くるんで抱き出づる 田中藤穂



ものの芽の雨に応へてゆく日数   稲畑汀子



ものの芽の声の囲める記念館    山田弘子



ものの芽や十歩もあらぬ石の橋  松塚香寿子



地に出れば衆目重き物芽なる    中原道夫



どの坂も急勾配や物の芽出づ    徳永真弓



ものの芽や赤子には無き土不踏   関位安代



ますぐなるものの芽の無垢尊びぬ 久保田雪枝



ものの芽の夜空押しあぐ力かな  福嶋千代子



尼寺の庭にものの芽ひしめけり   石原光徳



ものの芽に開きしチェロの皮ケース       山田美恵子



ものの芽や自傷少女の指白し    篠田純子



ものの芽の伏せある鉢の穴を出づ 中里とも子



ものの芽や土のゑぐれて除雪跡  工藤ミネ子



ものの芽の印の小枝そこかしこ  阿部ひろし



 




下 萌
Shitamoe



       
    ダ 影
  下 ム 落
  萌 の と
  ゆ ほ す
  る と  
蝉   り  
海   や  
       
       






はこべ自作






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