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◆ 早春 ◆
２春》時候
早春の暁紅の中時計打つ 石田波郷
▲一句／３点画像▼前へ/次句画像２点へ
タラップを降り早春の伊予の土 星野 椿
早春の光をまとひ和紙乾く 椎橋清翠
早春の友去にし窓雲白く 五十崎古郷
早春の喪より帰りて時あます 青柳志解樹
早春の土に瓦の降されし 猪俣千代子
早春の巻貝殻は砂丘の耳 有馬朗人
風紋の起伏の文も早春譜 福田蓼汀
早春の庭をめぐりて門を出でず 高浜虚子
早春の日のとろとろと水瀬かな 飯田蛇笏
早春の流水早し猫柳 西山泊雲
早春の砂丘なゝめに駈け下る 大橋敦子
早春の空嵌めて悲し切通し 楠本憲吉
早春の海女に大きな握りめし 角川春樹
早春の風をさがして風見鶏 岡澤康司
早春の魚影もなき野川かな 福田蓼汀
早春や枯木常盤木たばこ店 渡辺水巴
早春や狭庭なれども梅椿 富安風生
早春や空巣吹かるゝ茨の中 芝不器男
早春や老の血となるはうれん草 渡辺水巴
早春や道の左右に潮満ちて 石田波郷
早春や鶺鴒きたる林檎園 芝不器男
桶一つ乗せて早春の若布舟 島村 元
落石の谺は渓の早春譜 平田青雲
早春の入日林中の笹を染む 水原秋櫻子
早春の娘と過ごす日の一日減る 上野さち子
◆ 春浅し ◆
２春》時候
くもるとき港さびしや春浅き 中村汀女
▲一句／３点画像▼前へ/次句画像２点へ
ばら～に木を去る鳥や春浅く 萩原麦草
喰み移る羊ら汚れ春浅し 荒井正隆
夕煙る田家のさまや春浅し 小杉余子
小焚火を焚火跡にぞ春浅き 皆吉爽雨
春あさくやくざを泊むるはたごかな 飯田蛇笏
春浅き芝にこぼれて鶫かな 太田鴻村
春浅き草喰む馬の轡かな 飯田蛇笏
春浅き路地にのつそり研ぎ屋来る 菖蒲あや
春浅く火酒したたらす紅茶かな 杉田久女
春浅く短冊換へぬ床柱 高濱年尾
春浅し壁にかけたる鍬二挺 村上鬼城
春浅し海女小屋にあるランドセル 河西ふじ子
春浅し梅様まゐる雪をんな 泉 鏡花
春浅し欅大きな瘤を抱き 稲垣きくの
春浅し犬が犬みる土手の径 柴田白葉女
木々の枝こまやかに春浅きかな 石川桂郎
浅春や田に来て白き海の鳥 篠田悌二郎
炬燵まで春浅き日のさしこみぬ 大谷句佛
白き皿に絵の具を溶けば春浅し 夏目漱石(48)
着ぶくれの女車掌や春浅き 島田青峰
穴掘りて遊ぶ鶏春浅し 島田青峰
竹伐るや春浅き日を揺りこぼし 若林 肇
鍬の柄に押す烙印や春浅し 野村喜舟
飯櫃を洗ひ雫し春浅し 細見綾子
※飯櫃 めしびつ
 早 春 Soosyun 仔 早 傷 猫 春 深 の の し パ ン 蝉 チ 海 |
春浅し Haruasashi 個 風 室 邪 春 カ だ 浅 ル け し テ の 蝉 に 海 |
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