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◆ 立春 ① ◆
２春》時候
立春や昨日のままの薄氷 殿村菟絲子
▲一句／５画像▼前へ/次句画像４句
立春の蛇口全開菜を洗ふ 半田順子
立春の雪のふかさよ手鞠唄 石橋秀野
立春の日を一杯に老かなし 阿部みどり女
立春や娘の膝まろき夜の畳 畠山譲二
立春やひざのほこりを持ち歩く 細見綾子
さざ波は立春の譜をひろげたり 渡辺水巴
立春の朝霧しづる枯枝かな 臼田亞浪
雪五度立春大吉の家にあり 前田普羅
雨の中に立春大吉の光あり 高浜虚子
春立や蜂のはひゐる土の割れ 室生犀星
嫁ぐ子と花種選りぬ春立つ日 伊藤京子
オリオンの真下春立つ雪の宿 前田普羅
万燈のまたゝき合ひて春立てり 沢木欣一
丹頂の気高く舞ひて春立てり 墓田いさを
九十九の祖母と語るや春立つ夜 河野静雲
名を知りて後星の春立ちにけり 山口誓子
大和路や春立つ山の雲かすみ 飯田蛇笏
大雪を朗報のごと春立てる 百合山羽公
川口の洲に乗る潮に春立てり 内田百間
幾度も春立つ暦見上げたる 阿部みどり女
春立つや新年ふるき米五升 松尾芭蕉
春立つや暦に赤き日曜日 吉屋信子
春立つや雪ふる夜の隅田川 角川春樹
春立つや雪嶺はまだ夢の白 大串 章
春立つや鳥の羽かかる古葎 山口草堂
楢山の風紅いろに春立ちぬ 岸田稚魚
枯枝にかこまれて春立ちにけり 石川桂郎
◆ 立春 ② ◆
縁談の成る出はいりや春立ちて 及川 貞
煤たれて春立つ窓に幾吹雪 前田普羅
瘤多き木に立春の日影さす 百合山羽公
白銀の世界留めて春立ちぬ 稲畑廣太郎
立春の屋上に在るにわたずみ 寺井谷子
立春の野を焼かばやと頬かむり 下村梅子
立春の鶏絵馬堂へ歩み入る 佐野美智
立春や日表を踏む古き縁 小澤碧童
立春大吉野良はきのふと変りなし 百合山羽公
翼なきものには櫂を春立てり 原 和子
茶箪笥へ射す日が折れて春立ちぬ 菖蒲あや
遊ぶ如ざぼん机上に春立てり 殿村菟絲子
立春の雨美しき並木かな 薗田秀子
立春の園芸店は旗立てて 佐々木平一
年の内に春立つといふ古歌のまま 富安風生
遊具みなペンキ塗りたて春立ちぬ 高久フミ
 立 春 Rissyun 雄 立 探 ブ 春 し ラ の け ン り コ 蝉 に 海 |
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