11月の例句集 ブック

〜動物〜

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◆ 冬の鴬 @ ◆



二三日ちらつきゐしが笹鳴けり  水原秋櫻子



五十年忌和讃に笹子来て居りぬ   田中英子



伊勢みちの伊勢にちかづく笹子かな       鷲谷七菜子



伊豆相模わかつ岬に笹鳴ける    有働 亨



何もせず障子明るし笹鳴けり    瀧井孝作

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佛間まで幽かに雪の夕笹子    千代田葛彦



信楽の壷に陽当り冬鶯       伊藤敬子



光悦寺冬鶯が鳴きにけり      北村軒市



円空仏吾より長身笹鳴ける     奈良文夫



冬鴬われは病弟子胸あつし     石田波郷



冬鶯むかし王維が垣根かな     与謝蕪村



冬鶯吸ひ付くやうに梅が枝に    高澤良一



前略と書いてひと息笹子鳴く    増田斗志



千仏のうしろに一鬼笹子鳴く    斎藤梅子



南天に何時までもゐしが夕笹子   武藤木咲



原稿はまだかまだかと笹鳴くや  芥川龍之介



双塔をつなぐ古道笹子鳴く    赤松けい子



啼く笹子押へて湖の端ゆする   加藤知世子



坑夫墓地日射しすぐ逃げ夕笹子  岡部六弥太



夕笹子障子の桟の濃く浮けり    関森勝夫

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大学の今日のしづけさ笹鳴ける  深見けん二



大工来て笹鳴聴かず二三日     富田木歩



大藪を洩るる朝日や笹子鳴く    藤本哲夫



子等帰り来よ笹子来る庭となる   稲畑汀子



安住の笹鳴く庭となりにけり    隈 柿三



客去れば笹鳴とわが時間かな    加藤秋邨



尼眠る葎をくゞり笹子鳴く   長谷川かな女

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山吹の黄葉のちりぢり笹鳴す    室生犀星



 
◆ 冬の鵙 @ ◆



おちつきのある冬鵙となりにけり        阿波野青畝



パン袋掌に冬鵙とはたと会ふ    原田 喬



冬鵙が家族のごとし喪の終り    中山純子



冬鵙が恋しや咽喉に湿布して    三橋鷹女



冬鵙となる一幹に夕日透き    神尾久美子



冬鵙のゆるやかに尾をふれるのみ  飯田蛇笏



冬鵙の目の張り朝日水に射す    桂信 子



冬鵙の翔つむらさきの先を読む  鳥居おさむ



冬鵙の贄なるものの鼻の穴    大木あまり



冬鵙の顔をはなるる日射かな   小島千架子

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冬鵙の鳴かで渡りぬまむし沢    青木重行



冬鵙や寺の日暮れは一段づつ   小島千架子

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冬鵙や手術の髪を切らぬ意地    朝倉和江



冬鵙や流されゆかむ転居の荷    手塚美佐



冬鵙や綺羅を野道にかがやかす   桂 信子



冬鵙や足になじまぬ露地草履    斉藤小夜



冬鵙や鏡みがいて朝始まる    田口美喜江



冬鵙や風が磨ける石畳      大岳水一路



冬鵙や骨壷しかと抱きゆく    小野寺安居



冬鵙や高干をして男シヤツ     遠藤梧逸



誰もゐない公園冬鵙枝移り     大高弘達



いまありし鋭声かへらず冬の鵙   井沢正江



はみだされゆく農なるや冬の鵙   影島智子



人はみな火事に馳せつけ冬の鵙   下村槐太



人間をやめるとすれば冬の鵙    加藤秋邨

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低くとぶ分水嶺の冬の鵙      河合凱夫



光陰をほづえにわする冬の鵙    飯田蛇笏



冬の鵙啣へしものを垂らしけり   勝又一透



冬の鵙墓犇きてあるばかり     石田波郷



 




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