11月の例句集 ブック

〜天文 地理〜

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◆ 初時雨 初しぐれ ◆



ででむしのえりうつくしき初時雨  三好達治



まだ鹿の迷ふ道なり初しぐれ     千代尼



みのむしの得たりかしこし初時雨  与謝蕪村



マッチの絵五十三次初時雨     河野南海



一車なき夜の始発駅初しぐれ    宮武寒々

一句画像選句画像



今日ばかり人も年寄れ初時雨    松尾芭蕉



分校の廃校となる初時雨      河村昌子



初しぐれ出立ちを急かせ舟揺るる  関森勝夫



初しぐれ猿も小簑をほしげなり   松尾芭蕉



初しぐれ竹を並べし井戸の蓋    佐藤和夫



初時雨初の字を我が時雨哉     松尾芭蕉



初時雨夕飯買ひに出たりけり    小林一茶



初時雨提(どて)をもやして遊けり  小林一茶



初時雨故人の像を拝しけり   夏目漱石(38)



初時雨煮鍋の音の静かなり    本下ひでを



医者が来て発句よむ也初しぐれ   正岡子規



十月や十日も過ぎて初時雨     正岡子規



山茶花のかたき蕾や初時雨    岡本癖三酔



山茶花の蕾そろひぬ初時雨     山口青邨



巨船より小舟の迅し初時雨    倉橋美智子



愛車とは小さな個室初時雨     岡田順子



房垂れに櫨の実黒し初時雨    五十嵐播水



捨猫の熱き目と逢ふ初時雨     広本俊枝



新藁の屋根の雫や初しぐれ     森川許六



旅人とわが名よばれん初しぐれ   松尾芭蕉



柳にもかへり花あり初しぐれ      羅雲



橡の実は朴におくれて初しぐれ   飯田蛇笏



泥鰌とる鷺のむらがる初時雨    飯田蛇笏



絶壁に吹き返へさるゝ初時雨    前田普羅



老い父の濡れそぼち来ぬ初時雨     遷子



 
◆ 時雨 夕しぐれ ◆



うれ柿を鳥もち去る時雨かな    中 勘助



おとなしき時雨を聞くや高野山   上島鬼貫



きそひ打つ五山の鐘や夕しぐれ   正岡子規



けふはもう帰る便なき島時雨    豊原月右

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しぐれ来てはさみ忙しや蟹の市   山本一糸



ちんば鶏たま〜出れば時雨けり   小林一茶



つぼ白粉時雨宿りに買ひもして   石橋秀野



ともしびの次第に照らす時雨かな  京極杞陽



まだ犬もつながれしまゝ夕時雨   中村汀女



やがて入る月や二日の夕時雨    中村史邦



やねふきの海をねぢむく時雨かな  内藤丈草



しぐるるや堀江の茶屋に客ひとり        芥川龍之介



よくぞ来し君よ時雨るゝ日は淋し 大須賀乙字



二本目のマッチ明るし時雨宿    谷口桂子



冬近し時雨の雲もここよりぞ    与謝蕪村



凩の地にも落さぬ時雨かな     向井去来



切株の茸かたまる時雨哉      小林一茶



句会寺や時雨るゝ海を見通しに   西山泊雲



号外の鈴ふり立る時雨哉    夏目漱石(25)



外套にしみもせざりし時雨なる   野澤節子



宗祗去り芭蕉没して幾時雨     正岡子規



時雨るゝや水をゆたかに井戸ポンプ        中村汀女



しぐるゝや駅に西口東口      安住 敦



宿借りて名を名乗らする時雨哉   松尾芭蕉

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寺かぢる鼠が駆ける時雨かな    前田普羅



小夜時雨上野を虚子の来つゝあらん        正岡子規



岩小屋に紅葉時雨をやりすごし   福田蓼汀



峠路や時雨晴れたり馬の声     尾崎放哉



峡深く人の後追ふ時雨かな     野村泊月



嵐山のみやげ屋で買ふ時雨傘    清水志郎



干柿の錆びつくしたる軒時雨   米沢吾亦紅



干茸に時雨れぬ日とてなかりけり        松本たかし



掃きよせて時雨の音を聴く落葉   井上井月



掛稲の表を走る時雨かな      野村泊月



日本と砂へ書きたる時雨哉     小林一茶



時雨るるや犬の来てねる炭俵   芥川龍之介

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