2/3ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 初冬 冬はじめ 冬浅し ◆ 淋しさもぬくさも冬のはじめ哉 正岡子規 火を焚きし人より暮るる冬はじめ 高島つよし ▲画像 蛍光灯唄ふごと点き冬浅し 藤田湘子 週刊誌手に初冬の海の駅 原田 喬 初冬や日和になりし京はづれ 与謝蕪村 初冬や石油で洗ふ絵の具筆 栗林千津 初冬や竜胆の葉の薄もみぢ 松本たかし 初冬や竹伐る山の鉈(なた)の音 夏目漱石 ▲俳句画像jpg 初冬や訪はんとおもふ人来り 与謝蕪村 初冬や鶲は崖を鳴きこぼれ 野村喜舟 暁紅の海が息づく冬はじめ 佐藤鬼房 朝凪の帆のももいろに冬はじめ 柴田白葉女 柳川の初冬の朝の舟だまり 星野立子 ▲俳句画像jpg 櫨をとる子の舟泛ぶ初冬かな 飯田蛇笏 初冬の月裏門にかかりけり 正岡子規 初冬の竹緑なり詩仙堂 内藤鳴雪 初冬の萩も芒もたばねけり 正岡子規 初冬やシャベルの先の擦り切れて 山口誓子 初冬や仮普請して早住めり 高浜虚子 初冬や向上の一路まだ開かず 夏目漱石 初冬や山の鴉は紫に 野村喜舟 初冬や年忌の汁に顔うつり 大峯あきら 初冬や庭木にかわく藁の音 室生犀星 初冬や心肥えたる般若経 野村喜舟 あたたかな冬のはじめや樫に雨 藤田あけ烏 つまみ菜の汁かんばしや冬はじめ 松瀬青々 はつ冬や空へ吹かるゝ蜘のいと 黒柳召波 八つ手打つ雨に初冬の韻きあり 高澤良一 冬はじめ捨つべきものを捨て始む 三浦美知子 初冬なほ紅葉に遊ぶ人等かな 高濱年尾 初冬のけはひにあそぶ竹と月 原 裕 初冬のすでに膝まで没しきて 平井照敏 初冬のなまじ日を得し波淋し 西村和子 ◆今朝の冬 立冬 冬立つ日 冬来る 冬に入る◆ どぜう屋の炭火真紅に冬来る 細見綾子 ルオーの黒佐伯の黒や冬来たり 伊丹さち子 冬来るオリオン山に起き直り 相馬遷子 冬立つや濱の小店のみもち犬 高橋睦郎 冬立つや背中合せの宮と寺 正岡子規 冬立つや蜻蛉数匹乱舞して 相馬遷子 冬立つや金のなる木に薄埃 小見山希覯子 冬立つよ古洗濯機胴震ひ 百合山羽公 冬立つ日いと新しき思ひする 高木晴子 唇の荒れの久しく冬来る 阿部みどり女 女医の君青猫めづる冬来る 飯田蛇笏 心電図音なくとられ冬立つ日 藤岡きみゑ ▲一句画像▼選句画像 立冬の川を彩る胡桃の黄 阿部みどり女 立冬の玄関灯すみかん色 町田しげき 立冬の空美しく柚子日和 西本一都 立冬や窓摶つて透く鵯の羽根 石田波郷 門灯を消す立冬の暁の色 村山砂田男 音たてて立冬の道掃かれけり 岸田稚魚 つるぎ研ぐ白きにごりも冬に入る 室生犀星 ブルゾンの浅きポケット冬が来る 高澤良一 マンボーの大き泪眼冬に入る 本橋歌子 一字欠けネオンサインも冬に入る 森田幸夫 下駄の音勝気に冬を迎へけり 鈴木真砂女 今朝冬や柑園にとぶ海の鳥 西島麦南 冬が来る湖が逃げ場もなく騒ぎ 飯田龍太 冬に入りて柿猶渋し此心 正岡子規 冬立つや一番バスの顔揃う 谷口智鏡 冬に入る雨あたたかき日なりけり 関戸靖子 凪ぎわたる地はうす眼して冬に入る 飯田蛇笏 切り離し自由な車輛冬に入る 森田智子 十年のカルテの重み冬に入る 影島智子 口つひに開かず石榴冬に入る 高橋栄子 口紅を少し濃くせり今朝の冬 大海みつ子 味噌汁の葱の香立ちて今朝の冬 緑川啓子 啄木の山河いよいよ冬に入る 白崎千恵子 山の子が独楽をつくるよ冬が来る 橋本多佳子 ▲俳句画像jpg 斧あてし枝の切口冬に入る 山口誓子 渋柿の我もの顔や冬に入る 佐藤春夫 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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