1/2ページ目 ◆ 福寿草 ◆ (新暦では2月以降咲くものを旧暦正月用に合わせ、温室栽培して新暦1月に売られる。よって掲載句は、混載していても自然のものと温室ものの区別は可能と思う。写真は自然の開花を2月中に写したもの) 福寿草の写真 下町や軒端の鉢の福寿草 石塚友二 福寿草ひらきてこぼす真砂かな 橋本鶏二 福寿草母なる子なる蕾かな 山田弘子 福寿草雪しりぞきしところより 永田耕一郎 片づけて福寿草のみ置かれあり 高浜虚子 日の障子太鼓の如し福寿草 松本たかし 指揮棒を福寿草に振るわたし 五島エミ 福寿草の日向に母を連れ出して 伊藤通明 福寿草咲いてもわたしは嫁きませぬ 八木三日女 針山も日にふくらみて福寿草 八染藍子 もつさりと言ふも目出たし福寿草 殿村菟絲子 わが好きの数の七つの福寿草 五十嵐播水
福寿草聞香といふ集ひあり 大橋敦子 福寿草家族の如くかたまれり 福田蓼汀 一人居のにはかに日差福寿草 川崎展宏 妻の座の日向ありけり福寿草 石田波郷 妹が欲しいといふ子福寿草 岡本一代 縁の日に当てて山家の福寿草 石 昌子 病室の煖炉のそばや福寿草 正岡子規 水音のする雪中の福寿草 菊地弘子 福寿草咲きて始まる花日記 岡村月子 音もなく日はかがやけり福寿草 仙田洋子 福寿草母の嫁の座永かりし 小野克雄 日記まだ何も誌さず福寿草 遠藤梧逸 福寿草咲くを待ちつつ忘れたる 佐藤紅緑 紙漉きの干し場に咲ける福寿草 田中冬二 ◆ 臘梅 ろうばい ◆ 臘梅に聴く風の音涛の音 青柳志解樹 臘梅の咲くゆゑ淡海いくたびも 森 澄雄 臘梅の香の一歩づつありそめし 稲畑汀子 臘梅や繭ごもる灯が山あひに 柴田白葉女 長命は退屈臘梅に目を向けて 阿部みどり女 臘梅と幾度も答へ淋しき日 阿部みどり女 臘梅の咲きうつむくを勢ひとす 皆吉爽雨 臘梅のかをりやひとの家につかれ 橋本多佳子 臘梅や枝まばらなる時雨ぞら 芥川龍之介 生きて会ふ地震一年の臘梅に 五十嵐 櫻 臘梅は挫けぬために匂ふ花 伊予田由美子 臘梅や不二にも重き空の青 三田逃水 臘梅や鉄の臭ひの埋立地 笹本カホル 臘梅や雪うち透かす枝のたけ 芥川龍之介 臘梅が咲き歳月の流れだす 家里泰寛 臘梅ややはらかき手を鍵盤に 仙田洋子 臘梅のこぼれやすきを享けにけり 林登志子 臘梅や時計にとほき炬燵の間 室生とみ子 臘梅に日の美しき初箒 遠藤梧逸 臘梅に訪へば尼僧も雪安居 長谷川久代 臘梅や夢に冷たく泣かされし 対馬康子 臘梅やかがやきいでし山の雲 瀧 春一 臘梅へ近づく星を見てゐたり 神山冬崖 臘梅の香の張り詰めてゐる蕾 水田むつみ 臘梅の黄の明るさの先に海 水田むつみ 臘梅の香に終焉の庵あり 辻口静夫 人去りて臘梅の色ひそかなり 藤松遊子 臘梅につめたき鳥の貌があり 岸本尚毅 臘梅や鐘つきたがる子供たち 山西雅子 臘梅や人の話の聞こえきて 山西雅子 臘梅のいろの溶けゆく山日和 板谷芳浄 臘梅を無口の花と思ひけり 山田みづえ 臘梅や薄雪庭を刷きのこす 水原秋桜子 臘梅の鏡に向きて開きけり 後藤恵子 乞ふ臘梅この家夫妻も老いてをり 及川 貞 臘梅や書屋即ち父の城 大橋敦子 次頁につづく [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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