〜時候〜

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◆ 凍る B ◆



干足袋の日南に氷る寒さかな   大須賀乙字

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廃船の凍て屯ろせり宿の前   阿部みどり女



引汐に小貝の氷る真砂かな     藤野古白



引返す山路これより凍ててをり   稲畑汀子



恋の血の高鳴つていま月凍る    仙田洋子



我が行く天地万象凍てし中     高浜虚子



子の鶴も親にならひて凍てはじむ        波多野爽波



子供らにいつまで鶴の凍つるかな  石田波郷



家の中に水氷る日や荷風読む   田川飛旅子



家影の水に落ちゐて暮れ凍てし   富田木歩



寒天の田にうす墨の山凍る      原 裕



天ぐさの洗ひ場の石濡れ氷る    田中冬二



天暗し一本杉や凍てゝ鳴る    芥川龍之介



太陽に正面きつて凍てし滝     檜 紀代



妻笑ひだす水栓も杓も凍て     辻田克巳



姿見にむけば白頭昼の凍て     飯田蛇笏



寒垢離や不動の火焔氷る夜に    正岡子規

※寒垢離 かんごり 寒稽古



子の凍てし手をぬくめつゝ眠りけり        上野章子



子の忌日合掌の指凍てしかな  阿部みどり女



夜泣き子と下水を残し街凍てる   森田智子



夜祭の戻りの凍ては云はざりき   岸田稚魚



夢殿をのぞみ石仏野に凍る     大島民郎



大いなる水を束ねて滝凍てり    保坂リエ



大松明の火の粉も凍る午前二時         伊藤いと子



大空に月ぶら下り雲凍てぬ      浩山人



天が下蛇行の河の凍てしまま    山本歩禅



凍る夜の妻子の眠りいさぎよし   相馬遷子



凍る夜の木瓜に来る朱や夫癒えよ        加藤知世子



凍る夜の灯火の色星の色     成瀬正とし



凍る夜を花もこぼさず桜草     渡辺水巴



吾子のもの干す軒下に湖は凍て   木村蕪城



夕凍みを飾れり白き歩道橋     宮津昭彦



夕茜沼氷るまであと一歩     橋本美代子



 
◆ 凍る C ◆



氷る夜の灯かゝげし産井かな    西島麦南

一句画像選句画像

※産井 さんい? 産小屋



河凍てしことを確かむ石飛礫    対馬康子

※飛礫 礫 つぶて



泥濘の凍てゝかたさや蹄あと    西山泊雲

※泥濘 ぬかるみ
※蹄 ひづめ



泳ぎ来る鯉にさゞなみ凍るかも   渡邊水巴



流し来て氷る瀬隈や谷筏     岡本癖三酔



流木を咥へて凍る波ころし     大島民郎



浪の華とき〜舞ひて荒磯凍つ     雁択水



水の自在わづかに許し滝氷る    佐野美智



水底へ幹立ち上り山凍つる    大岳水一路



氷る日の灯ともす電車かよひをり  飴山 實



氷る河わたる車室の裡白む     山口誓子



氷る湖の温泉おつるところ舟囲ふ  木村蕪城



氷る燈の油うかがふ鼠かな     与謝蕪村



月凍てて千曲犀川あふところ    福田蓼汀



染汁の紫氷る小溝かな       正岡子規



木の股に雪塊凍てて暮れんとす   福田蓼汀



枯芦や朝日に氷る鮠(はや)の顔   広瀬惟然



梅が香や朝々氷る花の陰       千代尼



機鑵車の蒸気が凍てる月明り    飯田蛇笏



水に落し椿の氷る余寒哉      高井几董



托鉢の鉢に凍てつく指はがす    鈴木貞雄



日雀ゐて石の髄まで凍ててをり   加藤楸邨



旬日を一日のごと崖氷る      下村槐太



明日あたりかならず凍る滝に立つ        能村登四郎



明日のもの凍てて自在にかかりをり        木村蕪城



暁の畳の凍てて座禅堂       田中南耕



月の暈網代の上に氷るらん     有山江南

※網代 あじろ 漁の仕掛け



氷る畦ゆるゝと見るや鶇居り   水原秋櫻子

※鶫 つぐみ






氷る
Kooru


       
    ス 氷
    ト る
  葬 ロ 灯
  ら ボ の
  る の  
蝉   闇  
海      
       
       






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