1/9ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 一月 ① ◆ 一月となりけり雪も降りにけり 正岡子規 ▲俳句画像jpg 神官を待つ一月の造船所 宮本輝昭 砂踏めば一月ぬくし蟹の爪 秋元不死男 赤き実を咥へ一月の鳥日和 阿部みどり女 風に鳴る一月場所の高のぼり 杉 良介 通り抜けるだけ一月の百貨店 稲垣きくの 野歩きの果一月の星得たり 細見綾子 陽も沖も一月朝のパン匂ふ 神尾久美子 月容れて一月の森ふかねむり 柴田白葉女 村じゅうにある一月の浪の音 岡田耕治 松の間に一月の波上りけり 鈴木鷹夫 枇杷の葉の照り一月の防波堤 中拓夫 水にいろさす一月の半ばかな 藤本草四郎 大川や一月場所の風強く 牧野寥々 鵜の海の一月の風豪華なり 原田 喬 ▲俳句画像jpg 天遠く一月の寺火を燃やし 大西淳二 川風に一月場所の太鼓かな 島田五空 常磐木の香や一月の雪雫 村越化石 手に提げし灯が一月の川照らす 長谷川双魚 一月や枯れ木の肌の日のぬくみ 小島政二郎 一月や波除こゆるなみしぶき 久保田万太郎 一月や田にかがやきて烏たち 有働 亨 一月や仏を刻む木の匂ひ 大峯あきら 一月や去年の日記なほ机辺 高浜虚子 一月や枝川にやまべ遊びゐて 山口草堂 一月の風花呼びて樅の黒 村越化石 一月は鐘を鳴らせよ老いたれば 後藤綾子 一月やほとけの花のゆきやなぎ 久保田万太郎 ▲俳句画像jpg ◆ 一月 ② ◆ 一月の空に静止の観覧車 本宮哲郎 ▲俳句画像jpg 一月の野面や低く糸を干す 殿村莵絲子 一月の釘ぎつしりと罐の中 皆吉 司 一月の陽あたる畑や風の音 大谷句仏 一月の雪晴れ金魚売通る 高濱年尾 一月の雲と語れる古箒 中嶋秀子 一月の音にはたらく青箒 能村登四郎 一月の翡翆とほる御寺かな 大峯あきら 一月の茜色沁む芝畠 岸田稚魚 一月の白帆とのぼる蜜柑山 中 拓夫 ▲俳句画像jpg 一月の空見て椿油かな 岡井省二 一月の空路を飛んで友の賀ヘ 下村ひろし 一月の波が押しゆく渡舟かな 橋本榮治 一月の滝いんいんと白馬飼ふ 飯田龍太 一月の火事いきいきと風下へ 三橋敏雄 一月の産湯や艪櫂横たわり 中島斌雄 一月の旅に親しき筑紫の温泉 稲畑汀子 一月の小学校の懸り凧 下田 稔 一月の山の容を父とせり 斎藤梅子 一月のうす日さしくる障子かな 久保田万太郎 一月のさよりの銀を一包み 辻 桃子 ▲俳句画像jpg ◆ 去年今年 ◆ 去年今年集い鳴るかな船の笛 寺井谷子 山麓の駅舎灯りて去年今年 内池珠美 去年今年障子明りに襲はれし 平畑静塔 命継ぐ深息しては去年今年 石田波郷 遺されし思ひいささか去年今年 鷹羽狩行 月光に山野凍れり去年今年 相馬遷子 去年今年雪夜雪片かさなり降る 斉藤美規 暗きより火種をはこぶ去年今年 柿本多映 去年今年貫く棒の如きもの 高浜虚子 星よりも噴煙重し去年今年 阿波野青畝 去年今年闇にかなづる深山川 飯田蛇笏 炭竃に燃えつづく火の去年今年 松本たかし 去年今年一と擦りに噴くマッチの火 成田千空 針に糸通してゐるや去年今年 細見綾子 碇泊の汽笛が分つ去年今年 伊藤省三 父みとる母居眠りて去年今年 相馬遷子 星は死し星は生まるる去年今年 有働 亨 寝袋に聴く風音や去年今年 望月たかし 藍甕に焚く温め火や去年今年 渡会昌広 榛の実が粉雪と語る去年今年 永峰久比古 黒猫と鍵を預る去年今年 諸岡直子 仏壇のともりしままや去年今年 下田童観 去年今年闇の向ふに犬鳴いて 渡辺七三郎 続き有り [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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