2/8ﾍﾟｰｼﾞ目 俳句画像５点 ◆ 寒の月 ① ◆ 寒の月しきりに雲をくゞりけり 久保田万太郎 ▲俳句画像jpg 病む父のありての家路寒の月 深見けん二 カーテンを引き残したる寒の月 湯浅典男 遮断機の影身を下る寒月光 桂 信子 漁港過ぐ寒月列車と同じ速さ 川村紫陽 寒月光背後見ずとも貨車通る 桂 信子 寒月光われより若き父ふりむく 眞鍋呉夫 寒月下灯の濁りたる電車行く 中村草田男 寒月下子の落書を踏み戻る 香西照雄 寒月下その鉄蓋を誰も踏み 加倉井秋を 寒月を網する如き枯枝かな 高浜虚子 寒月を絡んで巨樹の枝こまか 野村泊月 寒月をまたぐに惜しき潦 桂 信子 ※潦 にわたずみ 水溜まり 寒月や雲尽きて猶風烈し 正岡子規 寒月下あにいもうとのやうに寝て 大木あまり 寒月や門をたゝけば沓の音 与謝蕪村 ※沓 くつ 履き物 寒月や路上ピエロの白化粧 仙田洋子 寒月や見渡すかぎり甃 川端茅舎 ※甃 いしだたみ 寒月や表にものを取りに出て 上野 泰 寒月や藪をはなれて畑の上 鈴木花蓑 寒月や盥の水に鼠捕 六花 ※盥 たらい 寒月や皿より棄つる魚の骨 大串 章 寒月や玻璃戸の内に刃物売る 大橋敦子 寒月や獺がくはへし魚のそり 野村喜舟 ※獺 だつ かわうそ 寒月や猫の夜会の港町 大屋達治 寒月や涛と戦ふ離れ巌 島田青峰 寒月や谷に渦巻く温泉の煙 寺田寅彦 ◆ 寒の月 ② ◆ 寒月にひかる畝あり麦ならむ 水原秋桜子 ▲一句画像▼選句画像 寒月や枯木の中の竹三竿 与謝蕪村 寒月や喰ひつきさうな鬼瓦 小林一茶 寒月や受胎ののちの身のしづか 辻美奈子 寒月やいよいよ冴えて風の声 永井荷風 寒月やからりと捨てるから玉子 大江丸 寒月へのぼる靴音螺旋階 近藤甚之助 寒月の美しくして病む夜かな 苅谷千代 寒月の熱海の宿に遅くつき 車谷 弘 寒月の埠頭も船も寝しづまり 高林蘇城 寒月のいびつにうつる玻璃戸かな 高浜虚子 寒月に雲飛ぶ赤城榛名かな 河東碧梧桐 寒月に木を割る寺の男かな 与謝蕪村 寒月のかけらぶつかり合ふ怒濤 福田蓼汀 寒月にまぶたを青く鶏ねむる 田中祐三郎 ダイヤ買ひ形見ふえたり寒月夜 八牧美喜子 韓国語放送ひびく寒の月 仙田洋子 烏飛て高台橋の寒の月 松岡青蘿 寒月や支度調ふ食堂車 永井東門居 寒月や耳光らせて僧の群 中川宋淵 寒月に水浅くして川流る 山口誓子 寒月が鵜川の底の石照らす 栗田やすし 寒月や我ひとり行橋の音 炭太祇 寒月や鹿ひゆうと鳴く岡の上 五十川茶村 母逝けり寒月白く残る軒 町田しげき 寒月に焚火ひとひらづゝのぼる 橋本多佳子 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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