3/8ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 屠蘇 ① ◆ 屠蘇酌むや膳の上なる鶴の羽 大谷句佛 ▲俳句画像jpg 音楽の鳴らぬ他郷の屠蘇に酔ふ 八木三日女 頽齢の舌にとろりと屠蘇あまし 富安風生 祖母も母も並びて小さし屠蘇をうく 古賀まり子 老いの母やとうとうたらり屠蘇の酔 草間時彦 老朽ちし妻をあはれみ屠蘇を酌む 高浜虚子 還暦と謂ふはにかみの屠蘇を酌む 前田忠男 酔ふほどは飲まぬつもりの屠蘇に酔ふ 下村ひろし 金泥の鶴や朱塗の屠蘇の盃 夏目漱石(32) 金盃の重み消えしよ屠蘇注げば 中村汀女 金粉の沈める屠蘇を干しにけり 滝戸 蓮 雑煮より屠蘇を密かに好しとせり 相生垣瓜人 正面になだらかな山屠蘇を酌む 福田甲子雄 此家に輝くや屠蘇の小盃 石井露月 火の国に住みて地酒を屠蘇がはり 大島民郎 父となる子の提げてきし屠蘇に酔ふ 宮田富昭 父の座は床の間のまえ屠蘇祝う 森松 清 猪弾を込めたる友と屠蘇酌めり 萩原麦草 看護婦もわが家の家族屠蘇の膳 市村不先 ▲俳句画像jpg 我に過去君には未来屠蘇を酌む 亮木滄浪 戸口より山路はじまる屠蘇の酔 宇佐美魚目 指につく屠蘇も一日匂ひけり 梅室 曽孫にも屠蘇舐めさすと騒ぎをる 武井三重 差向ひ屠蘇祝ひ居る長屋かな 篠崎霞山 平凡を仕合せとして屠蘇祝ふ 森 白象 屠蘇酒に酔ひつつありて鮨握る 久永芦秋 屠蘇重し軽き朱金の酒杯に 日野草城 屠蘇飲むは幸を飲む如くなり 相生垣瓜人 山を見て山に見らるる屠蘇機嫌 木附沢麦青 屠蘇酌むや南海道の鯨守り 広江八重桜 屠蘇酌んでここに一人の太郎冠者 池谷陶魚 屠蘇酌んで悔なき生と思ふべし 鈴木真砂女 屠蘇酌んで素直にいのち惜しみけり 多田納君城 せはしなき人やと言はれ屠蘇を受く 水原秋櫻子 たくましき子の手となりぬ屠蘇をつぐ 八木けい子 たら～と母につぐ屠蘇こぼれけり 青陽人 ひとりくむ屠蘇のかなしや酔ひ心地 菖蒲あや ほのかなるもの身をめぐる屠蘇の酔 那須乙郎 やすらかな天上に屠蘇酌み給へ 阿部みどり女 雪沓を穿くときどつと屠蘇の酔 木村蕪城 ▲俳句画像jpg ◆ 屠蘇 ② ◆ 屠蘇散や夫は他人なので好き 池田澄子 ▲俳句画像jpg 屠蘇祝ぎて米寿とはそらぞらしけれ 富安風生 屠蘇祝ぎもなかば雪掻き立ちにけり 坂本山秀朗 屠蘇祝ふ傘寿の母を戴きて 大橋敦子 屠蘇祝ふ病みても夫の長寿眉 増田富子 屠蘇酌みてまだ晩年の持時間 柊 愁生 屠蘇酌みて父の器量を想ひをり 北見さとる 屠蘇気分ふつ飛ばしたる一辞令 山田弘子 屠蘇の酔大福長者となりにけり 尾崎紅葉 屠蘇の酔棚田の径を落ちもせず 上田 操 屠蘇の酔生涯知らぬ膝頭 猿橋統流子 屠蘇の香やほのぼのとして八雲山 吉田冬葉 屠蘇を注ぐ巫女のかすかな片ゑくぼ 関口祥子 屠蘇を注ぐ指美しく婚約す 勝又星津女 屠蘇一献妻に感謝のぎこちなく 藤野重明 屠蘇の酔ひ醒ます土竜の土を踏み 奥谷亞津子 屠蘇の子や一重まぶたを引継げり 高岡 慧 屠蘇の杯船乗りびとと肩ならぶ 小川濤美子 屠蘇注ぐや吾娘送りきし青年に 加倉井秋を ▲俳句画像jpg 屠蘇くめや短くなりしいのちの緒 森 澄雄 屠蘇つげば頬白鶲つぎつぎに 黒田杏子 屠蘇つげよ菊の御紋のうかむまで 本田あふひ 屠蘇のむや正座して病なき如し 高橋蒼々子 嫁ぎ来てその家のならひ屠蘇祝ふ 稲畑汀子 宵年や先づは呑みこす屠蘇の酒 水田正秀 家族いま五人半なり屠蘇を酌む 山田弘子 屠蘇うけて居並ぶ顔を愛しめり 酒井彩雨 屠蘇くむや流れつつ血は蘇へる 加藤楸邨 勇み駒盃にふくるる屠蘇を酌む 中戸川朝人 続きは次頁へ [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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