2/8ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 除夜(続き) ◆ 除夜の鐘鳴りはじめたれ夜番来る 久保田万太郎 ニイチエを読み拍子木が告ぐる除夜 沢木欣一 箒目に水打つ除夜の麹蔵 能村登四郎 床柱拭く手見えゐる除夜旧家 鷲谷七菜子 町ぐるみ除夜船笛の太柱 野沢節子 寒くなれば篝にも立ち除夜の鐘 星野立子 ◆ 初暦 ① ◆ 初暦知らぬ月日の美しく 吉屋信子 ▲俳句画像jpg 初暦終の日付をいつにせむ 小谷舜花 初暦胸中に齢重くなれり 花田哲行 初暦船長室のととのへる 五十嵐播水 初暦花鳥風月をこめにけり 松根東洋城 初暦身近に一つ納まりぬ 蓬田紀枝子 初暦静かならざる日もあらむ 山田みづえ 初暦頼みもかけず掛けにけり 高浜虚子 ありありと童子山水初暦 斉藤夏風 いざ見ばやはるばる伊勢の初暦 西友 とかくして二日となりぬ初暦 小杉余子 わがよきこと人のよきこと初暦 富安風生 ローランサンよき画家なりき初暦 水原秋櫻子 人おもふ倖せを抱き初暦 加藤えう子 人の手にはや古りそめぬ初暦 正岡子規 光淋に始まる月日初暦 河合澄子 初暦あたらしき死後はじまりぬ 和田知子 初暦かけしいつもの柱かな 西山 誠 初暦かけて野鍛冶の煤柱 森冬比古 初暦どきりと裸婦の現れし 後藤比奈夫 初暦ひらくや清の桃花紅 野見山ひふみ 初暦ひらく牧神笛を吹く 野見山朱鳥 初暦めくれば地球うごいたような 夜基津吐虫 初暦めくれば月日流れ初む 五十嵐播水 初暦めでたくここに古暦 正岡子規 ▲俳句画像jpg 初暦わが起ち上る日はどの日 日野草城 初暦わが遂の日のありやなし 細見しゆこう 初暦アラビヤの星其の数字 上野 泰 初暦イエスパウ口の道(ことば)あり 中島斌雄 初暦メモに汚すはかまひなし 石川桂郎 初暦五月の中に死ぬ日あり 正岡子規 初暦人診る日々に古りはじむ 新明紫明 初暦冷たく折目そろひけり 渡辺水巴 初暦吊りて花やぐ居間の子よ 関口成生 初暦子の嫁ぐ日の二重丸 薦田伸子 初暦巻癖つきしまま吊す 塩川雄三 初暦掛けし柱の裏は浅間 村松紅花 初暦をはりの絵まで捲って見 上原富子 ▲俳句画像jpg ◆ 初暦 ② ◆ 子に来るもの我にもう来ず初暦 加藤楸邨 ▲俳句画像jpg 宇佐に行くや佳き日を選む初暦 夏目漱石(32) 小机に載せてこそあれ初暦 尾崎紅葉 巻き癖のいまだ馴染まぬ初暦 松倉ゆずる 幸せの待ちゐる如く初暦 稲畑汀子 我が生の余光ばかりや初暦 深見けん二 古壁にまた一年や初暦 平 赤絵 句を読めば昔たふとき初暦 原コウ子 吉日のつづいて嬉し初暦 村上鬼城 吾子だけが知る山羊の顔初暦 斉藤夏風 四季の花みな美しき初暦 佐久間道子 団欒や巻きぐせ残る初暦 志城 柏 大阪に雨の降りけり初暦 藤田あけ烏 改まる一間一間の初暦 石川風女 新築の木の香の匂ふ初暦 滝はる江 旧暦の潮読む海女の初暦 鹿糠孝男 未知といふことば尊し初暦 村山砂田男 未知の日々神に委ねる初暦 景山筍吉 吾子の背の高さにかける初暦 高橋悦男 ▲俳句画像jpg 母の逝く日は知らざりし初暦 吉屋信子 海風がめくる糶場の初暦 遠藤真砂明 父の座のうしろに掛けぬ初暦 佐藤紅緑 病室の四人四様の初暦 高橋千美 祖父となる日もこの中に初暦 梅村好文 神宮の判すわりけり初暦 正岡子規 神棚にひと夜をおきぬ初暦 高田蝶衣 綴糸の青き白きや初暦 佐藤滴泉 子には子の別れの日あり新暦 山田弘子 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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