1/8ﾍﾟｰｼﾞ目 ◆ 除夜 除夜の鐘 除夜詣 ◆ 時計みな合せて除夜の鐘を待つ 道川虹洋 若僧ののけぞって打つ除夜の鐘 白井良治 ひとつづつ過去となりゆく除夜の鐘 林 民子 恙なく一家の揃ふ除夜の鐘 梅沢信作 百方に餓鬼うづくまる除夜の鐘 石田波郷 鍋のもの暖め直す除夜の鐘 福島 司 おろかなる犬吠えてをり除夜の鐘 山口誓子 除夜の鐘幾谷こゆる雪の闇 飯田蛇笏 オリオンを仰ぎて谷戸の除夜詣 梅田 男 水甕に水も充てけり除夜の鐘 中村草田男 除夜の鐘闇はむかしにかへりたる 五十嵐播水 観音は近づきやすし除夜詣 高浜虚子 除夜過ぐる清しき火種絶やすなく 野沢節子 賑はひを外れて水子に除夜詣 山田節子 除夜詣見知らぬ辻に出でにけり 有働 亨 まぼろしと繋ぐ手濡れて除夜詣 岡本 眸 除夜祭の巫女の溜りへ蕎麦とどく 遠藤勝亮 ひとひとりこころにありて除夜を過ぐ 桂 信子 あつまって一階だけを灯す除夜 五十嵐研三 念々と次の音を待ち除夜の鐘 加倉井秋を 除夜の月機械に注連を張りおわる 飴山 實 除夜とは別に酢牡蠣の中にある青空 高野ムツオ 鳴り合ひて何れも遠し除夜の鐘 黒川朱峯 重ねおく紅型帯や除夜の鐘 大嶺清子 しんがりは東大寺かや除夜の鐘 高岡智照尼 旅にしていづかたよりぞ除夜の鐘 福田蓼汀 我宿も寺領のうちや除夜の鐘 今井つる女 ぬばたまの出雲の闇を除夜詣 福田蓼汀 妻はその父を支へて除夜詣 辻田克巳 除夜詣嵯峨野の闇の火より火へ 落合水尾 潮の香のかすかに届く除夜詣 木内彰志 桝の豆ほどに混み混み除夜詣 平畑静塔 ギリシヤ正教会煌々として雪の除夜 阿部洋子 宮島の除夜の燈明り波の上 竹下陶子 除夜の妻白鳥のごと湯浴みをり 森 澄雄 神戸美し除夜の汽笛の鳴り交ふとき 後藤比奈夫 京泊り除夜の火桶をうちかこみ 大橋越央子 萬寿寺の界隈に住み除夜の鐘 徳永球石 島の宿除夜の汽笛のいっせいに 佐藤梧林 又一つ風の中より除夜の鐘 岸本尚毅 暗きより暗きにもどる除夜詣 野村登四郎 除夜の鐘ナース小窓にある偽薬 姉崎蕗子 除夜の鐘静かな雪を誘ひけり 都谷文子 星明かりだけを頼りに除夜詣 卯滝文雄 除夜の妻ホイッスル吹くごと笑ふ 吉野裕之 除夜の湯に肌触れ合へり生くるべし 村越化石 除夜の鐘小児病棟異常なし 水原春郎 灯を煌と泊船並ぶ除夜の鐘 下村ひろし 除夜の鐘地にはつもらぬ雪降れり 那須乙郎 生き過ぎてなほも生きたし除夜の鐘 宝亀重子 行き暮れしものの思ひぞ除夜の鐘 殿村莵絲子 用ひとつ忘れ心地に除夜の鐘 岩崎きゑ子 除夜の鐘一山の闇揺らしけり 田守としを 邪鬼の眼のわれを追ひくる除夜詣 松本幹雄 梟の目に射られたる除夜詣 大森三保子 大数珠を繰る輪に入りし除夜詣 有岡和子 磯伝ふ灯の殖えゆくや除夜詣 蓑和松徑 潮の香を負ひくる蜑の除夜詣 閑田梅月 眠らんと除夜の子が捲くオルゴール 石田波郷 遥かなる除夜の霧笛に眠りをり 仙田洋子 熱の子の覚めて聞きをり除夜の鐘 高橋悦男 願ぎごとのなき幸せの除夜詣 上村占魚 地篝の火のちぎれ飛ぶ除夜詣 大網信行 わが家のいづこか除夜の釘をうつ 山口誓子 除夜の灯の峰に残りて初烏 四明 星空に居る大富士や除夜の駅 松本たかし とりとめし命とありぬ除夜の妻 藤崎久を 吾をみとる妻も聞きをり除夜の鐘 上野 泰 佛檀を灯す孤影や除夜の母 皆吉爽雨 身ほとりに子等の寝息や除夜の鐘 佐藤美恵子 ジヤズ・バンドはしやぎて除夜も深まれり 山口誓子 除夜の妻ベツドの下にはや眠れり 石田波郷 (1913-69) 除夜の鐘ブラックホールある空へ 奥坂まや 次頁へつづく [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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