1/5ページ目 ――夜は魔物が蠢く時間。 だから早く、おやすみなさい。 夜更かしして家に明かりを灯していると、ほら… 魔物が目を光らせて、こちらを見ていますよ?―― 「っしゃあ!」 時刻は午前二時。 そんな夜中に不釣り合いな声が響く。 「うー…祐輔うるせぇよ、近所迷惑だろー?」 「大丈夫だってミヤ、何より今日は家族もいないしな♪」 ゲームのコントローラー片手に平気平気、と笑って手を振るのはこの家に住む高校生、藤倉祐輔。 そして家族が旅行中でいないからと家に招かれた親友、虎島雅はそんな彼を窘めた。 「にしてもお前意外にゲーム弱いのな。アクションとかレースとかカラダ一緒に動いちゃってるし…面白ぇ♪」 「う、うるせぇな!…なんでか動いちまうんだよっ」 親の居ぬ間の徹夜ゲーム。 風もないのにカーテンがひらりと踊った、そんな時に… "それ"は現れた。 『ふはははは! 見つけたぞ、夜更かししている悪い子を!!』 「「!?」」 夜の静寂を破る、突然の声。 振り返ればそれは窓の外からだった。 「嘘だろ、ここ二階…」 ―ドンドンドンドン!― 『ちょ、鍵かかってるとか何、開かないし!』 「「……。」」 祐輔は「戸締まりはきちんとしなさい」という親の言いつけを守り、あと夜中に騒ぐ事も考えて窓は閉め、施錠もしっかりしていた。 よってせっかく登場した何者かも締め出しを食らう羽目に。 『おいコラ開けろ! 開〜け〜て〜!!』 「そう言われて誰が開けるかよ、この不審者…」 祐輔が窓に近付きカーテンを開けると、その不審者と目が合う。 "彼"は予想外の展開に半泣きだった。 『ひっく、えぐっ…開けてくれよぅ…』 その、恥も外聞も捨てた泣き顔に思わず… サッ、とカーテンを閉める祐輔。 『〜〜っ!!』 「さ、ゲームの続きやるぞミヤ!」 (お、鬼だ…) その容赦ない仕打ちに、思わず雅も不審者に同情してしまうのだった。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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