1/7ページ目 それは、町に着く少し前のこと。 イリスはにこにこと、ご機嫌な様子だった。 「ふふふっ♪ お魚料理、楽しみだなぁ☆」 一歩、また一歩と町に近付くたび、まだ見ぬご馳走を思い浮かべて彼女は胸を高鳴らせた。 食べるのはもちろんだが、こうして想いを巡らせているのもまた、至福の一時である。 「シチューにスパゲッティ、それともスシ? ねぇ、レグナス君。」 「ん? あぁ、島の料理か。それもいいかもな。」 ちなみに“スシ”とは、忍者という影の一族が住む島に伝わる料理だ。他にも島には大陸とは違った独特の文化がある。 「…スシ?」 その単語に、ザードがぴくりと反応を見せた。 「どうしたのザード君、考え込んじゃって。」 「……いや、何でもない。」 彼はすぐに無表情に戻ると、くるりとレグナスに向き直った。 「しかしお前なら、どんな料理もお手の物なのだろうな。」 「へ?」 きょとんとするレグナスに、イリスが付け足して言う。 「そうだねぇ。しかも、あの町のお魚はすっごく美味しいんだよ♪」 「あら、それは期待できそうですわね。」 ファリアの言葉に頷くと、ザードは真剣な表情で口を開いた。 「…やはりレグナス、お前は良い嫁に…」 「だぁ〜かぁ〜らぁ〜!!」 最近ずっと、こんな調子である。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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