2/8ページ目 「協会の者だ。『剣と魔法の大陸』へ行きたいのだが…」 レンは身分証らしきカードを出すと、船着場の入口にいる男に見せる。 「え、協会って、君…」 驚きと疑いの目で、男はじろじろと彼女を見つめる。 「こんなちっちゃいボウヤが?」 いきなり禁句のニ連コンボ。 「ボウヤじゃない、女だっ!! それにこう見えても16歳なんだぞっ!?」 そうやってムキになる所がたまらなく可愛いと、約二名は思っていたりするのだが、彼女はその事に気付いていない。 「レン殿…超絶らぶりぃでゴザル…」 《ああ、ボクのエンジェル…》 「…? 何してる、もう出港だそうだぞ。」 「はいはーい、今行くでゴザルよ〜♪」 レンとシュウ(+α)は、いそいそと船に乗り込んだ。 「知らないって、幸せですよね…」 とは、セツナの一言。 まさに、知らぬが仏、というやつだ。 レン達が乗って間もなく、船はゆっくりと動き出した。 どこまでも澄みきった、青く広がる空と海。 旅立ちに相応しい、爽やかな風景だ。 「潮風が気持ちいい…これでようやく、『剣と魔法の大陸』へ行けるのだな、シュウ……ん? おい、シュウ!?」 振り返るとそこに彼の姿はない。おそるおそる目線を落としてみると… 「はうぅ〜…ぎもぢわるいでゴザルぅ〜…」 ぐったりと横たわる船酔い忍者。 「揺れて揺れてゆ〜らゆ〜ら…ああ、拙者こんなの初めてでゴザルよ…」 「ってこら、島から来たのだろう? その時は船ではなかったのか!?」 「板切れにつかまって泳いで来たでゴザル。」 その様子を思い浮かべてみる。 大海原、見渡す限り蒼の世界。 そのど真ん中で板切れに、ビート板よろしくつかまってぱちゃぱちゃと泳ぐ忍者の姿を… 「…いくら島が近いとはいえ、かなりの強者だな、貴様。」 「目の前がぐるぐるぅ〜でゴザル…」 「まったく、すごいのかそうでないのか、ですね。」 心底呆れるレンとセツナであった。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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