『ときめき』のお部屋

B〜もうひとつの出会い〜
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この世界にある三つの大陸のうちのひとつ、『夜とあやかしの大陸』。
人ならぬ者達の住む地で、もうひとつの物語が動き出した。
「やぁレン。今日も素晴らしい美少年っぷりだね〜♪」
甘い声でからかうように、長髪の青年は言った。
その言葉は、彼…ではない彼女にとっての禁句リスト上位に入っていた。
レナルディア・クレセント…愛称はレン。
まだ幼さの残る中性的な顔立ちに、華奢で小柄な体型は、少女というより少年めいている。
ちなみに年齢は16歳なのだが、背丈の低さでそれより下に見られがちなのも悩みのひとつ。
「やかましい。それよりも早く用件を言え。」
「あらら、それが上司に対する態度? ひどいよレン、ボク泣いちゃうよ。え〜んえ〜ん。」
わざと子供っぽく泣き真似をしてみせる上司を、部下は冷たく突き放す。
「変態無能上司に見せる誠意などない。」
するとピタリと泣き真似は止んだ。
「…つれないねぇ。まぁ、そこがイイんだけど☆ んじゃ、さっさと話しちゃおうか。」
変態無能上司は、キリッと仕事の顔になった。
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