『竜剣』のお部屋

6〜ひとりぼっちの気持ち〜
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「それじゃ、行ってくるから…」

「はい! 行ってらっしゃい、蒼真♪」

なんでもないように、笑顔で送り出して…


それが、彼女の長い一日のはじまりだった。



それは、昼食の後の事。
「そろそろまた、やらねーとな…」
ぽつり、と蒼真が呟く。
内容のはっきりしない一言に、雫姫は首を傾げた。
「やるって、何をです?」
「んぁ? …仕事だよ。ぼちぼち金がなくなってきた。」
不老不死とはいえ、腹は減るからな、と蒼真は苦笑まじりに説明した。
「あ! …すみません、洋服代とか、いっぱいお金かかっちゃいましたよね…」
しゅん、と俯く彼女に、思わず慌てて、
「べ、別にどーって事ねぇよ! パパッと稼いでくるから…」
「私も手伝います!」
「いや、いい!」
強い口調に、雫姫が押し黙る。
だが、目は切実に訴えていて…
「…あ、ほら、お前には留守番って仕事があるから、な?」
「るすばん? それが私の仕事ですか?」
きょとんとして尋ねる。
「そ、そうだ! 留守番も立派な仕事だぞ?」
「そう…ですか。」
ようやくわかってくれたらしい彼女を見て、蒼真は内心で胸を撫で下ろす。
「ああ。それじゃ…」
そして、冒頭の場面に戻るのだった。
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